食の安全科学技術演習開講および実施報告

神戸大学大学院農学研究科

食の安全・安心科学センター

Research Center for Food Safety and Security,
Graduate School of Agricultural Science,
Kobe University

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食の安全科学技術演習開講および実施報告

平成25年8月26日(月)~9月6日(金)
於:農林水産消費安全技術センター(FAMIC)神戸センター

本年度も本学農学部の3回生以上を対象とした「食の安全科学技術演習」が8月26日(月)~9月6日(金)の2週間(月~金の10日間)、神戸市ポートアイランドに所在する農林水産消費安全技術センター(FAMIC神戸センター)で行われ、応用植物学コース1名、応用動物学コース5名、応用生命化学コース2名の学生が履修しました。

第1日目のオリエンテーションの後、次の2コースに分かれて9日間の演習を行いました。各コースの内容は以下の通りです。
○農場から食卓までの分析コース
残留農薬分析、クロマト分析による名称及び原材料表示の確認分析(そば加工品、アイスクリーム類)、肥料中の重金属分析、飼料中のカビ毒の分析、しょうゆ及び醸造酢中の成分分析
○食品表示真正性分析コース
サバ加工品のDNA分析、果実飲料の安定同位体比分析、湯通し塩蔵わかめの無機元素分析、残留農薬分析、クロマト分析による名称及び原材料表示の確認分析(そば加工品、アイスクリーム類
第10日目に演習のまとめとアンケート等を行いました。

本演習を終えて、履修した学生さんの後輩へのメッセージは以下の通りです。

・私達理系の学生では技術系の仕事は人気があります。しかし、普段の学校生活では実際の仕事内容を知ることはほとんどありません。この研修では一部分ですが、そういった職種の方々がどういったことをしているのか、またどんな雰囲気のなかで働けるのかを体験することができます。これはかなり貴重なものだと感じました。また、受け入れ先のFAMICさんは独立行政法人ですが、国家公務員の方々がほとんどです。私は技術系の公務員職に就きたいと考えていたため、職場の雰囲気を肌で感じることができたのが本当に大きな収穫でした。また、女性の方も比較的多くいらっしゃったため、福利厚生などについても教えて頂きやすかったです。加えて、いつもは触れないような特殊な機器も使わせてもらえたのもいい経験になりました。二週間と少々長めですが、公務員技術職に興味があれば特に受講する価値のある研修だと思います。

・食の安全科学技術演習では、大学の実験より実践的で、私たちが普段口にするような身近な食品を分析するので、とても楽しく、貴重な体験を行うことができました。最先端の高価な機器にたくさん触れることができ、その仕組みも詳しく教えていただけるのでとても勉強になります。また、センターで働いている方々と同じルーティン業務を体験し、実際どのような仕事を行っているのか詳しく知ることができ、実際に働いている方々と直接お話しする機会も与えられ、将来の職業像についても考えることができました。2週間の実習は長いと感じるかもしれませんが、実際に受けてみると、あっという間です。大学の実験とは違う実験をすることが新鮮で、とても楽しい2週間でした。今後の進路について考えるうえでも参考になりますし、普段体験できないことができるので、少しでも興味があれば、ぜひ参加してみてください。

・本演習を受講するにあたり、一番大切なことは意欲的に受講するということです。もちろん講師の方々の言われた通りきちんと分析を行うということも大切ですが、それらの分析一つ一つに興味を持ち、少しでも疑問に思うことがあれば講師の方に質問したり、分析に関係のない、例えば仕事内容や職場事情といった事等についても聞いて、コミュニケーションを図るということはより大切だと思います。非常に少人数の演習なので、そういった質問がしやすい環境だと思いますので、講師の方にどんどん質問して、自分自身も楽しみながら受講しましょう。
 また、FAMICの職員の方とだけではなく、様々な学科及びコースそして他学年から参加している学生とも交流を深めることができます。

・この食の安全科学技術演習は、FAMICの職員の方々が実際に日々行われている業務を実習として体験できる演習です。「食品の分析」と一言に言っても、その対象とする物質は様々です。それぞれに応じた多様な分析手法があり、それを職員の方に指導してもらい実験しながら学べる演習は非常に有意義なものとなるでしょう。また、学生実験や研究室では見ることのない器具や高価な分析機器を扱わせていただける貴重な機会でもあります。食との関わりが身近な農学部の学生として、ぜひ履修されることをお勧めします。

・こういった職に就きたいと考えている人は勿論のこと,就きたい職種が定まらない人,分析ってどういったことをするのか興味のある人におすすめします。研修を受けるまで,学生実験以外の分析以外,全く触れなかったので機器説明のときは不安でしたが,職員さんも懇切丁寧に教えて下さるので大丈夫でした。少しでも興味がわいたら,受講することをおすすめします。

・FAMIC志望者も民間企業の志望者も,インターンシップだと思って参加すれば多くを得られることは間違いありません。まず,実験技術について。演習では現場で使われている多くの実験技術を体験できます。機器や精度管理に関しても,学生実験や研究室での実験とはかなり違いました。機器は,液クロやガスクロに質量分析器がついたものなど,高価なものも多く使用します。また,国の検査機関のため,データの精度を良くするための工夫が多くされています。はかりの日常点検やコンタミ防止の工夫,体積の量り方などは普段の実験をより正確に行う上で,参考になると思います。また職場を知るという点でも良い経験になります。演習は学生実験よりかなり空き時間が多いです。この時間を無駄にせず質問すれば,公務員試験や法律,職場での苦労話など,FAMICの方は様々なことを快く教えて下さいます。是非,聞きたいことをたくさん考えたうえで演習に参加して下さい。

・実習を履修しようかと少しでも迷っている人がいれば、是非履修すべきです。そう考える理由は2つあります。
 一つ目に、3回生はまだ研究室に配属されていないでしょうから、実験の経験はごくわずかです。その状態で実習をうけることで、今までやってきた実験の曖昧さを痛感し、今後の実験へのモチベーションがあがります。また何よりも、普段目にすることのない高価な機器を使って分析することで、研究分野への興味が広がると思います。
 二つ目に、FAMICの職員の方の実際の仕事の話を伺うことができます。準国家公務員であるので、国家試験のことやデスクワークが多いことなど、様々なお話をきくことができます。公務員志望の人にとってもちろん参考となりますし、そうではなかった人も将来の選択肢が増えると思います。
 10日間と少し長く思えるかもしれませんが、このような貴重な経験をできる実習なので、履修することをお勧めします。

・私は運良く3回生でこの授業を履修出来ました。私は就活について、「とりあえず大学院に進学してから食品関連企業の研究職を目指す」つもりでいました。しかし、FAMICで業務を体験出来ただけでなく、実際に働いていらっしゃる方々と様々なお話が出来たので、就活の選択肢を広げることに繋がりました。就活について漠然としか考えていない3回生や食品関連への就職を目指す方は受講して損は無いと思いました。

 わずか10日間の短期ではありましたが、履修生にとって大変充実した演習となりました。来年度以降も引き続き本演習は継続する予定です。
 本演習の企画・実施にあたりご尽力いただいたFAMIC神戸センターの職員の皆様に心より感謝いたします。今後ともどうぞよろしく御願いいたします。