食の安全科学技術演習開講および実施報告

神戸大学大学院農学研究科

食の安全・安心科学センター

Research Center for Food Safety and Security,
Graduate School of Agricultural Science,
Kobe University

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食の安全科学技術演習開講および実施報告

平成26年8月25日(月)~9月5日(金)
於:農林水産消費安全技術センター(FAMIC)神戸センター

本年度も本学農学部の3回生以上を対象とした「食の安全科学技術演習」が8月25日(月)~9月5日(金)の2週間(月~金の10日間)、神戸市ポートアイランドに所在する農林水産消費安全技術センター(FAMIC神戸センター)で行われ、応用動物学コース5名、応用生命化学コース8名の学生が履修しました。

第1日目のオリエンテーションの後、次の2コースに分かれて10日間の演習を行いました。各コースの内容は以下の通りです。
○農場から食卓までの分析コース
肥料中の重金属分析、飼料中の抗菌剤の分析、しょうゆ及び醸造酢中の成分分析、食品中のカビ毒の分析、クロマト分析による名称及び原材料表示の確認分析(そば加工品、アイスクリーム類)
○食品表示真正性分析コース
残留農薬分析、クロマト分析による名称及び原材料表示の確認分析(そば加工品、アイスクリーム類)、湯通し塩蔵わかめの無機元素分析、はちみつの安定同位体比分析、アジ加工品のDNA分析
両コース共に、第10日目に演習のまとめとアンケート、若手職員との意見交換を行いました。

本演習を終えて、履修した学生さんの後輩へのメッセージは以下の通りです。

・この演習では、これまでの学生実験で経験したことのある分析方法でも、いつもとは少し違った器具や様々な機械を使って分析できます。分析方法や機器の説明も詳しくしていただけるので、大学で得た知識を再確認し、さらに詳しい知識や正確な値を出すための細かな技術や工夫を学ぶことができます。また分析機関の実際に仕事をしているところへ見学に行くことは滅多にない機会なので、研究職に就いたらどのような環境でどのように勤めることになるのかを実際に見て、話を聞いて、知ることができます。私はこの演習で実験技術を学んだり高価な機器を扱わせていただいたりしただけでなく、社会に出てシビアな世界で分析に取り組んでいる方々から実験に対する心構えも学ぶことができ、とても刺激を受けました。2週間の演習は長いと感じるかもしれませんが、得られるものはそれ以上の価値があると思います。ぜひこの演習を受けてみてください。

・今回私がこの演習を受講したのは、理系の学部を卒業された方がどのように働いているのかを見てみたいと思ったからでした。なぜ見てみたかったのかというと、理系の学部に所属しているものの、仕事はルーチンワークみたいなものであまり面白くないのではないかという先入観を持ってしまっていたためです。でも、この演習を受けてみると、その先入観は払拭されました。同じような実験でも、一つ一つ微妙に違ったり、新しい発見があったり、そしてそれがちゃんと社会に役立っていることを間近で見ることができ、本当に新しいことをたくさん知ることができた2週間でした。また、大学ではお目にかかれないような実験器具もたくさんあり、使い方も丁寧に教えてくださったおかげで、使い方もマスターすることができました。本当に有意義な二週間だったので、是非受講をおすすめしたいです。

・この実習は独立行政法人農林水産消費安全技術センター(FAMIC)というところにご協力いただいて食の安全を守る分析技術について実験を通して学ぶことができる実習です。FAMICは食品の成分表示が正しいかどうか検査したり、飼料や肥料の成分が適正であるかどうか評価したりする独立行政法人です。FAMIC神戸センターはポートアイランドにあり、実習生は二週間そこで様々な機器を使って実際の分析の一部を体験します。
 この実習で得られることは4つあります。まず、大学にはない貴重な機器を用いて実験できることです。FAMICは複雑な分析機器を多く所有しており、これらを用いる体験は通常の授業では得られません。また、実際に行われる分析業務と同じ操作を体験できるため、食の安全が守られている現場を深く知ることができます。神戸大学出身の先輩もいらっしゃるため、FAMICのような公務員試験を介した就職活動について貴重なお話を聞くことができます。
 以上から、この実習は公務員を目指している人や食の安全に興味のある人だけでなく、全て農学部生に有用なものだと言えます。皆さん是非履修してください。

・私がこの研修に参加した理由は、食の安全がどのように検査されているのか、その現場を見てみたいということでした。その現場を見られただけでなく、実際に体験することができました。そこで、印象的だったのは、学生実験で行っているような実験操作が、職場でも用いられているということでした。これまで、今自分がしている実験と将来の仕事をつなげて考えることができなかったのですが、この研修を通して、将来の仕事のイメージが持て、自分自身のスキルを上げたいという、これからの実験や研究に対するモチベーションが上がりました。インターンシップは数多くありますが、理系の仕事を体験できるものは少ないので、公務員に全く興味がなくても、参加する価値は十分にあると思います。
 また、講師の方々との距離が非常に近く、いろいろな話をすることができました。このことも非常によい経験となりました。
 2週間、ポートアイランドまで通うのは、少し大変でしたが、この演習を履修してよかったと思っています。
なので、履修するかどうか考えているのであれば、是非履修してほしいと思います。

・この研修で行う操作のうち幾つかは、応用生命化学の皆さんなら学生実験で行う事が出来ます。しかし、それが仕事として行われている現場を見ることが出来るのは新鮮で刺激的でした。また、ホールピペットで溶液を吸い上げて押し出すだけの操作でも、大学で使うゴム球の他、レバーを上下に動かすもの、鉄砲のような形で2つの引き金が付いているものなど、様々なものが登場します。かと思えば「ただの醤油だから口でやっといて」なんてこともあります。面白いです。毎回わくわくしてました。
 講師の皆さんも気さくで話しやすく、神戸大学出身の方もいて話も合います。また、実験操作や業務内容、公務員試験に関する質問にも懇切丁寧に答えてくださるので、何でもバシバシ質問したらいいと思います。非常に勉強になります。
 夏休みの二週間、長いと思われるかもしれませんが、絶対に参加して損は無いと思います。本当におすすめです。

・自分の今の知識レベルで理解することが出来る内容であるか、不安に思っていたが、日頃の学生実験で用いた手法や機械も多く、また、疑問点や質問には講師の先生方が分かりやすく答えてくださったため、理解できない、ということは無かった。一方で、日頃使い慣れ、正しく使えていると思っていた器具も、メスアップの標線の合わせ方、ピペットマンの操作方法など、実際は正確に使えていなかったことが分かり、今後の実験や研究の際に気を付けて使おうと再認識することが出来た。また、理系の勉強をしてきた人が将来どのような職業に就き、どのようなことをしているかを間近で見ることが出来、自分の将来をより具体的にイメージすることが出来た。もし、この講義の第二弾が開講されるなら、もう一度参加したいと思う程、充実した講義であった。

・私は応用動物学コースの学生です。本演習は農学部の農場から食卓までというテーマにとても密に関係していて実践的でとてもいい経験になります。将来のことで悩んでいる人、どういった研究室にいきたいか悩んでいる人にとってとても有意義です。是非履修してみてください。夏休みですが、履修していく価値は大いにあると思います。

・この演習では、普段大学では扱えないような高価で精密な機器を使って実験をします。細かくて正確な値が出るのでおもしろいです。大学では学ばないような内容から、大学で学んだことをさらに発展させた内容まで、様々なことを学び実践できるので、新しい知識を得ることや、今までの知識を深めることができました。FAMICで実際に働く方が、仕組みや分析方法なども丁寧に説明して下さりました。また、身近な食品をターゲットとしているので興味を持ちやすく、研究職がどんなものなのか実際に体験することができました。学生実験より1つ1つの作業が細かく慎重で、仕事に伴う責任というものを感じました。10日間は長いと感じるかもしれませんが、貴重な体験ができる充実した時間だったと思います。是非受講してみてください。

・この演習はほぼ確実に知らなかった事に触れるチャンスになります。経験や伝聞から漠然と将来を考えている人にこそ、現実的な将来設計への架橋になると思いました。演習では普段の大学で学んだ知識や実験方法をより実践的な精密機器を用いた実際に現在使われている手法で体験でき、特に編入生にとっては早い段階での受講が他学生との間にある基礎的な技術面での差異の確認、モチベーションの向上に繋がるように感じました。演習を支えてくださるFAMICの職員の方々はとても優しく丁寧に教えてくださいます。またLC-MSMSのような大学では扱えないような機器も扱えるので研究室に所属する前の受講することで進路について考えるよい機会にもなるのではないでしょうか。

・夏休み中、2週間の集中講義は長いなと思っていましたが、実際はあっという間で、とても充実した期間でした。
FAMICの施設はきれいで、大学にはないような最新の設備もあり、専門調査官の方々の説明も丁寧で、素晴らしい環境での実習でした。また私の参加したコース(食品表示真正性分析コース)の実習では、食品表示に書かれていること(○○100%、○○産など)が本当に正しいのかということを検査しましたが、検査方法は同位体比分析、無機元素分析など思いもよらない方法で、とても面白かったです。食品表示についての知識も深まったように思います。
そして、FAMICは独立行政法人ですが、公務員でこのような仕事があることを知らない人は多いと思います。将来の仕事を考える上でも、選択肢の幅を広げるいい機会にもなると思うので、食品関係の仕事に興味がある人は特に、ぜひ受講されることをお勧めします。

・私はこの演習の授業を受けて、普段使わないような装置や実験器具、そして測定手法を体験することが出来て刺激になり楽しかったです。やったことのあるものでも、学生実験だけでなく実践する機会として見ることで、普段どれだけ曖昧に実験していたか実感して、後期からはもう少し頑張ろうと思いました。また、3回生のこの時期に履修することで、将来どのように働いていきたいのかを考えるきっかけとなりました。これから研究していきたいと思うような系統についても考えるようになり有意義な2週間を過ごせたなと思っています。
普段の授業とは一風違う授業で楽しんで受けることが出来ると思うので、迷っているなら抽選で運に頼って受けてみたら楽しいと思いますよ!

・この演習では、大学での学生実験とは異なった、食品分析の現場で行われている手法について学ぶことができます。身近な食品の分析だったのでとても楽しかったのと同時に、大学より高性能な機器を使用したり、より正確な値を求めるための方法を学んだりと、大変勉強になりました。また、職員の方々から普段の仕事内容など様々な話をして頂いたおかげで、自分の将来を以前より具体的に考えられるようになりました。大学内ではできない貴重な経験なので、時間があるならぜひ参加してみてください。

・食品を検査する現場を見たり、実際に検査するという体験は滅多にありません。この演習では大学では使用しないような珍しい機器類を操作させてもらったり、実際に現場で働いている人に話を聞くことができるなど貴重な体験が出来ます。将来院に進むか、就職するかで迷っている人は研究職がどんなものかを知ることができる貴重な機会なので、履修してみてはどうでしょうか。

 わずか10日間の短期ではありましたが、履修生にとって大変充実した演習となりました。来年度以降も引き続き本演習は継続する予定です。
 本演習の企画・実施にあたりご尽力いただいたFAMIC神戸センターの職員の皆様に心より感謝いたします。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。