Intergenomics研究会
神戸大学 / 神戸大学農学部・大学院農学研究科
 
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ゲノミクスの現状とインターゲノミクスの可能性

 ゲノミクス(Genomics)・・・ゲノム学とは、遺伝子(Gene)とゲノム(Genome; Geneと「全体」を表す-omeが合体)について研究する生命科学です。ゲノミクスは細菌に感染するウイルスのゲノムが解読された1980年代当時に提案され、1995年にインフルエンザ菌の完全長ゲノムが解読されて以来、急成長してきました。ゲノム解読のスピードは様々な技術革新を巻き込みつつ加速して、既に何百という生物種のゲノムが解読されています。長大なヒトゲノムの場合でも、1990年から始めて2005年に完了する予定が大幅に短縮され、2000年にほぼ完了することができたのです。ゲノミクスは生物を成立させるに必要な遺伝子のワンセット全体を取り扱う生命科学として定着したと言えるでしょう。

 ゲノミクスの急速な発展によって、我々の生命観も大きく変化し始めています。つまり、生物はゲノムの情報に基づいて紡ぎ出される存在であるという概念が浸透し、(勿論「氏か育ちか」という議論に結論を出すという意味ではないのですが)生物の在り様に最も重い責任を担う“実体”として、ゲノムが認知されるようになったのです。そして今やゲノムが生物個体を規定するという概念を超えて、特定の生物集団(社会)をゲノムの集合体と見なす”メタゲノム“という新しい考え方が生まれており、これはゲノムを中心に見据えた生物観、ゲノム決定論の最右翼と考えられるかもしれません。

 一方、ゲノミクスの発展から派生したもう一つの流れは、生体をシステムと考える生物学、システムズバイオロジーです。この場合、個体(あるいは、その構成単位である細胞)という生体システムを成立させるための基本設定として、ゲノムは要素の質や量を定めると考えます。さらに、生体システムは静的なものではなくダイナミックに変化する多種多様な物質変換の総和として成り立つのですから、この立場は上記のゲノム決定論的な考え方に動的な要素を加えたものと言えるかもしれません。

 さらに、ゲノミクスは視点を切り替えることによって次々と新たな展開を見せています。“機能ゲノミクス(Functional genomics)”(遺伝子機能の集積としてゲノムが果たす機能を考えるゲノム学)や“比較ゲノミクス(Comparative genomics)”(ゲノム構成を比較して進化や分化を考えるゲノム学)などが、その具体例です。 そこで、私たちは “インターゲノミクス(Intergenomics)”、言わば“相互作用ゲノム学”・・・つまり個々のゲノムの担う生命現象だけではなくて、ゲノム間に起こる相互作用を取り扱う新たな視点を提案します。メタゲノムのように集合ゲノムを議論するのではなく、またシステムズバイオロジーのように単一ゲノムの問題を扱うものでもない。それぞれ独立しているけれど相互作用する生命システムについて、例えば感染(共生)菌と宿主、オルガネラと核、核内に共存する異種ゲノム(倍数体)、さらには宿主ゲノムとそこに入り込んだウイルスやトランスポゾンの間に見られる相互作用にまで視野を広げ、ゲノミクス研究の新展開を目指します。

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