細菌の栄養的分類
独立栄養細菌と従属栄養細菌


細菌は主要な 炭素源 の性質を基礎として2種類に分類されます。 主要な炭素源として二酸化炭素(CO2)を利用できる細菌を 独立栄養細菌 (autotrophic bcteria) と呼び、有機炭素源に依存するものを 従属栄養細菌 (heterotrophic bacteria) と呼びます。ほとんど大部分の細菌は後者の従 属栄養細菌に分類されます。
さらにもう一つのパラメーターとして、 エネルギー源 の性質を基礎とした分類がされます。光を利用することのできる 光合成細菌(phototropic bacteria) と化学的エネルギーに依存する 化学合成細菌(chemotrophic bacteria) です。このように、炭素源とエネルギー源に 基準をもうけると以下のような4種の栄養型に分類することが出来ます。

1、光合成独立栄養細菌
エネルギー源として光を利用し、主な炭素源として二酸化炭素を利用す型。

2、光合成従属栄養細菌
エネルギー源として光を利用し、主な炭素源として有機化合物を利用す型。

3、化学合成独立栄養細菌
エネルギー源として化学物質を利用し、二酸化炭素を主要炭素源とする型。これらは還元型の無機化合物、NH4、NO2‐、H2、還元型の硫黄化合物(例えばH2S、S,)CO、または2価鉄の酸化によりエネルギーを獲得する。

4、化学合成従属栄養細菌
エネルギー源として化学物質を利用し、主な炭素源として有機化合物を利用する型。前三つの栄養型の特徴であったエネルギー源と炭素源との明確な区別がこの型では不明確で、普通、1種の有機化合物の代謝により炭素とエネルギーの両方を獲得している。栄養的に非常に複雑なこの型は、さらにいくつかのサブグループに分類できる。

本文は「微生物学(上)原書第5版〜培風館〜」を参考に作成しました

戻る