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塾長ベルギー、オランダ出張編
(2017年度)



タイの出張から生還して僅か10日後、塾長はベルギー、オランダに出張しました。写真はフランスはパリのドゴール空港着陸寸前の模様を放映している飛行機機内モニターの画面です。12時間の飛行後、無事に着陸しました。

入国後、空港直結の鉄道駅から今回の出張の最初の目的地、ベルギーのブリュッセルまで列車移動です。今回も科学技術イノベーション研究科の吉田健一教授に「引率」して頂きました。英語(オーストラリア風)はそこそこ出来る塾長ですが、フランス語となると読み書き、話す聞くがまったくできません。現地人並みにフランス語ができる吉田先生のご同行は本当に心強いです。御陰様で列車への乗り換えも滞りなく行うことができました。

空港駅からブリュッセル駅まではフランスが誇る高速列車TGV(Train ? Grande Vitess)に乗りました。昔はドゴール空港から国内線でブリュッセル空港行きがあったのですが、飛行機会社の経営難打開作の1つとしてこの列車を飛行機の代わりにしているそうです。

空港を出発して10分もたたない内に車窓には田園風景が広がりました。こんな風景がずっと2時間近く続きます。9月の帯広出張(写真館44に掲載)でみた十勝平野の広がりと比べられないくらい広大です。

ブリュッセル南駅に到着しました。旅慣れている吉田先生はどんどん駅の雑踏の中を歩いて行きます。塾長がその後を必至に着いて行きます。

市内の地下鉄から、路面電車に乗り換え、「VUB」という駅を降りるといかにもヨーロッパの街角の晩秋!、といった佇まいです。このベルギーという国、ヨーロッパの歴史をひもとけば、その時々の2大勢力がぶつかりあう戦場の国なのでした。そんな悲しい過去を払拭すべく今ではここにヨーロッパ連合の本部が設置されています。

その先を少し歩くとブリュッセル自由大学のキャンパスに入ります。「ブリュッセル自由大学」は元々は1つの大学でしたが、1969年フランス語圏のUniversite Lbre de Bruxlles (ULB)とオランダ語圏のVrije Universiteit Brussel (VUB)に分裂してしまったそうです。この写真はVUBのキャンパスです。異なる言語を持って1つの国として居続けるのは我々日本人の与り知らぬ難しさがあるようです。

キャンパス内にある「U-Residence」と呼ばれる建物です。地上階部分は講堂や会議室ですが、2階から上は留学生および短期滞在者の寄宿舎となっています。部屋毎に窓の大きさ、形が異なる、なかなか創作的なデザインです。今回のブリュッセル滞在ではここが吉田先生と塾長の宿です。

今回の塾長の出張の用向きの1つはここで開催される「神戸大学ブリュッセルオフィス第8回シンポジウム」(詳細についてここをクリック)に出席し、神戸大学で現在進められているヒト腸管モデルについて講演することでした。シンポジウムの開会式にはEUの「科技庁」事務官、VUBの学長、EU担当の日本国大使の錚々たる御仁が出席され、武田神戸大学学長の挨拶のあとに夫々祝辞を述べられました。

神戸大学は10年ほどまえからEU総合学術センターというもの設立し、VUBの全面的な協力を得てキャンパス内に神戸大学のオフィス(詳細についてここをクリック)を開設し、ここをヨーロッパの拠点としてヨーロッパ諸国の大学との学術交流の推進に取り組んでいます。その推進活動の一環として毎年1回このようなシンポジウムが開かれます。

このシンポジウムの微生物に関する第2セッションの6名の講演者の1として塾長が腸管モデルについて講演しました。昨年の西オーストラリアでの講演同様にたいへん好評を頂きました。

EU総合学術センターの副センター長であられる吉田先生はこのセッションの座長を担当されました。セッションの終わりに神戸大学とヨーロッパの大学との微生物学を通じての学術交流を促進する具体的な取り組み、その成果、そして今後の展望について明解、端的にご解説頂きました。

ベルギー滞在中の予備日を使って吉田先生は共同研究を行っているゲント大学のボガード先生との研究打ち合わせのため、ブリュッセルの隣町、ゲントに立ち寄る用事があったので塾長もこれに随行させて頂きました。塾長的は3年振り2回目の訪問です(写真館その31参照)。町の中心にあるお城の最上階からの町の眺めです。

そこで記念写真。合成化学が専門分野であるボガード先生には一昨年と本年夏に神戸大学の夏期集中講義の非常勤講師を担当して頂きました。こう見えても凄いアスリートです。ヨーロッパを一人で自転車旅行、ヒマラヤ山系も一人で闊歩されたそうです。日本がとても気に入られたようで、次は日本中を旅してみたいそうです。

ゲントの街角の酒屋さんのショーウインドウです。これでベルギービールのコレクションのほんの1部だそうです。まさにビール王国ならではの景観に吉田先生も感動!


3泊4日のブリュッセルの滞在でしたが、大変有意義な出会いがありました。その番外編としてベルギーのレフという名の修道院から派生した銘柄で、秋から冬、クリスマス・シーズンにかけて登場するウィンター・ビール( Leffe Bi?re d'Hiver )が圧巻した。

ベルギー料理も食しましたが、吉田先生が連れて行ってくれたVUBキャンパス周辺の場末にあるインド料理屋のカレーセットが抜群のテイスト、お値段も破格の安さで圧巻でした(これで2,000円ぐらいでした)。

つぎの目的地オランダに向かう列車の発車まで少々時間があったので町中の王立美術館で速攻で19世紀、20世紀初頭の絵画鑑賞いたしました。ここでゴッホの「Head of a Young Peasant in a Peaked Cap」と遭遇したのが圧巻でした。ゴッホ37年の生涯、亡くなる6年前の重厚な作品です。


夕方、再び吉田先生の「引率」でブリュッセル南駅からTGVと並び称される高速列車Thalys(タリス)に乗ってアムステルダムに向いました。

2時間ほどでアムステルダム中央駅に到着。ちょっとだけ北に移動したせいか外気が寒く感じます。

宿は前回のアムステルダム滞在(写真館35)でも泊まった駅前の "Prins Hendrik"です。ちょっと"いわくつき"ですが、今回も快適に泊まれました。


翌朝、アムステルダム中央駅からInter City列車に乗り込みました。

南東方向に1時間ほどして列車がとまった「Ede-Wageningen」駅で下車しました。

駅の改札口付近で出迎えてくれたのは、なんとあのDr Laura Ferrandoです(写真館28、31、34)。


彼女の運転する車に乗せられて一行はヨーロッパにおいて屈指の農学系の大学、Wageningen大学(詳細についてここをクリック)に到着しました。

LauraはAmsterdam Medical Center(AMC)のポスドクのポジションを一年前ぐらいに解任され、それから「浪人」状態でしたがこの11月からこの大学の微生物学教室で新たなポスドク(特命助教)のポジションを厳しい審査を経て勝ち取りました。写真は教室の入り口付近に掲載されている「Host-Microbe Interactomics」教室のスタッフ紹介パネルです。上から2段目の左から6番目に彼女が微笑んでいました。Laura、おめでとう!よかったね!

Lauraはすでに新しい職場の雰囲気にもなれてラボを案内してくれました。彼女の背後にいる男女スタッフはイタリア出身ということで、Lauraは「イタリア分隊長」としてその手腕を発揮しているそうです。


教室長のProf. Jerry Wells(詳細についてここをクリック)とも直ぐに打解けることができました。 イギリスのケンブリッジ大学出身、年齢は吉田先生とほぼ同じ若さです。

光栄にも塾長はここでも腸管モデルについての講演をさせていただきました。ここでもご好評いただきました。ありがとうございます。

その日の晩にはProf. Wellsとその「相棒」的なDr Peter van Baarlen、そしてLauraと大学とアムステルダムの中間に位置するUtrecht (ユトレヒト)町中のレストランでご馳走して頂きました。腸内細菌叢を研究することの醍醐味、楽しさを大いに語り合いました。本当にありがとうございます。是非またご一緒しましょう!


そのレストランに向かう途中、ユトレヒトの運河沿いをこの町の住人であるLauraの案内で散策いたしました。

ご存知のひともいるかと思いますが、ここはあのミッフィーの故郷(ミッフィーの作者であるディック ブルーナの出身地)なのです。Lauraの案内でミッフィーミュージアム(詳細についてここをクリック)を速攻で見学いたしました。

Lauraの案内で町中を歩いて行くうちにどんどんと当たりは暮れてゆきます。そんなときちょっと上を見上げたらこんな景色が写りました。吉田先生も塾長も思わず携帯写真を撮りました。吉田先生のお写真の構図が一番良かったのでお許しのもとここに掲載させていただきます今回の出張でピカイチの一枚です。

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