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ROOTプログラム高校生来訪編
(2019年度)


7月22日から27日の5日間、高校生の太田井麻令乃さんが研究室に来ていました。今回は塾生の松井がレポート致します。
太田井さんとは、神戸大学発達科学部が科学に関心のある高校生のために主催する、ROOTプログラムをきっかけに知り合いました。ROOTプログラムではまず、全員が基礎ステージで研究課題・計画の立案を行うので私はそのお手伝いをしていたのですが、細菌に興味がある!という気持ちが計画話だけでブンブン伝わる太田井さんのことは一番印象に残っていました。ROOTプログラムに参加していても、大学研究室で実際に研究する実践ステージに進めるのは選ばれた生徒のみであるため、太田井さんが無事選ばれるようにひそかに応援していました。
実践ステージに進んだとの連絡があった時はとても嬉しかったのですが、まさかこの研究室で一緒に研究出来るとは思ってもいませんでした。

研究室への来訪は今回が初めてではなく、情報共有等のために週末にたびたび神戸大学に足を運んでもらっていましたが、夏休みに入ったことでようやくまとまった時間を取ることができました。

空気中から細菌を"集菌"するための機械の準備や培養の仕方など、いつも研究室で進めていることを実際に見せて説明できました。ヒトに由来する腸内細菌が多くいそうな場所での集菌に、太田井さんは何度も協力してくれていたのですが、やっと集菌後の一連の作業をまとまって見てもらうことが出来ました。

真剣にメモを取りながら聞いてくれました。実は太田井さんが来訪する前に、ちゃんと先輩らしく説明出来るようリハーサルをしていたのですが、口で実際に言葉にしてみると普段いい加減にやっていた部分が浮き彫りになって自分の所作を見直すいい機会になりました。
DN そんなリハーサルまでした上に何度も繰り返してきた作業ですが、じっと見られていると上手く説明できているか不安になってきて、緊張で震える手を抑えるのが大変でした。

偶然同時期に来訪していたOB さんのアドバイスも聞くことが出来ました。アドバイスを参考に、より多くのサンプル数からDNAを抽出する方法を試しました。残念ながらこの5日間で新たな成果は出ませんでしたが、この方法を学んでサンプル数を増やせるようになったことで、目的の細菌を収集できる確率が上がることを願っています。

太田井さんに手伝ってもらって、期待できる培養サンプルから菌を単離しようと試みました。サンプル数が増えたことで、100枚近くの培地を作る作業と、その培地に画線塗抹をする作業は、2人がかりでもかなり骨が折れました。

5日間という期間は本当にあっという間でしたが、熱意にあふれた高校生と過ごす時間はとても良い刺激になりました。8月13日にアメリカで行われたROOTプログラムの最終発表も無事終わったとの連絡がありました。 11月に行われる日本細菌学会で再び会えるかもしれないので、再会を楽しみに、準備をお互い頑張ろうと思います。