講義・セミナー

学術講演会のお知らせ

以下のセミナーを開催いたします。

日 時 : 2016年 6月23日(木) 午後 4時〜
場 所 : 神戸大学・バイオシグナル総合研究センター 5階研修室
講 師 : 菅野 新一郎 博士(東北大学加齢医学研究所)
演 題 : 使えるタンパク質複合体解析法(プロテオーム解析)
-使えるバイオインフォマティクス、免疫沈降法と古くて新しいアフィニティカラム法、BioID法について-

講演要旨

ヒトの細胞内ではおおよそ1万5千種類ぐらいのタンパク質が機能していると言われています。さらに多くのタンパク質は翻訳後修飾をうけることで同じタンパク質でありながら何種類もの分子として存在し、タンパク質全体の分子種は遺伝子の数の何倍もあると考えられています。多くのタンパク質は翻訳後修飾とともに様々な複合体を形成して細胞の状況(発生過程や細胞周期あるいは紫外線や放射線に曝されるなど)に応じて生理的機能を果たしています。近年の質量分析機の発展は微量のサンプルからタンパク質を同定する事ができ、また、ある程度翻訳後修飾についても同定する事ができるようになりました。このことによりタンパク質研究は個々のタンパク質の研究から生理的機能単位である複合体の解析、シグナル経路を具体的な分子のイベントとして解析することなど相互作用タンパク質のネットワークの研究にシフトしつつあります。
 演者はDNA修復機構を専門として多くのタンパク質複合体を解析してきました。また、バイオインフォマティクスの技術や実験のセンスをかわれて(複合体解析にはある程度訓練が必要です)まったく異なる分野の複合体解析も手がけてきました。今回の講演では、使えるバイオインフォマティクスと免疫沈降法、古くて新しいアフィニティーカラム法のコツについてなるべく具体的に研究に役立つお話をします。

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