[Last updated: 2015年5月11日]
ラジオドラマ「排水事故」
出演者
教授:磯部翔
女子学生:安木理恵
男子学生:前野達弥
センター職員:吉村知里
解説ナレーター:馬場淑子
脚本:環境管理センター
ミキサー:浅野健
協力:KUBC神戸大学放送委員会
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解説

実験流しは、中和・曝気槽につながっています。中和・曝気槽は、事故などの緊急時に実験排水の中和と溶存する揮発性有機化合物の除去を行います。現在は、理学部・工学部・自然科学研究科にだけ設置されていますが、将来的には全学に設置したいと考えています。

さて、今回の事故の場合、中和・曝気槽では、重金属を処理できません。例えば、鉛を含む実験排水の排除基準は0.1ppmなので鉛1gあたり10トンの水で薄める必要があります。 排除基準とは法律で定められた排水中に溶存する有害物質の許容濃度です。理学部と工学部の中和・曝気槽の容量は45トンですから、鉛を4.5g以上含む実験廃液が流されたならば、槽全体の濃度が排除基準を越えてしまいますので、槽の全排水を当事者の負担で処理する必要が出てきます。鉛を含む実験廃液の処理費用は廃液1リットル当たり二百五十円です。鉛の濃度には関係ありません。槽全体の処理費用は一億円を超えるでしょう。二百五十円以下で済んだ費用が何十万倍にもなってしまうのです。
先程のうっかり教授は硝酸鉛の1モル溶液を100ミリリットル流しちゃいましたので、これには約30グラムの鉛が含まれていました。この教授は立派な一億円組のメンバーです。

次に、揮発発性有機化合物のひとつであるジクロロメタンの場合を考えてみましょう。ジクロロメタンを含む排水の排除基準は0.2ppmなのでジクロロメタン1g当たり5トンの水で薄める必要があります。ジクロロメタン9g以上を含む溶液が流されたならば、槽全体で排除基準をオーバーしてしまいます。 そこで、一旦槽を閉じて少なくとも丸一日以上曝気処理をしなければなりません。 もちろんその間は、その部局全体で実験排水を出せなくなります。

それでは事故を隠した場合について考えてみましょう。神戸市では、神戸大学の排水の水質をチェックしています。もし、そのチェックにひっかかれば、法律違反となり場合によっては長期間の排水停止というペナルティも考えられます。

みなさん、実験廃液の取り扱いには、十分注意してくださいね。

排水・廃液処理システム