地球の磁場の逆転現象は、地球科学に残された大きな謎の一つである。 地球の中心にあるコアと呼ばれる部分は、4000度以上にも達する高温の鉄でできていて、莫大な量の電気(電流)が発生している。電流が発生すると、その周囲に磁気(あるいは磁場)が発生することはよく知られているが、コアの電流はリング状に流れているため、そのリングのちょうど真ん中に棒磁石を置いたような格好の磁場が生じている。北極がS極になっているので、方位磁石のN極は北をさす。 そして、この地球磁場の向き、つまり地球の南北が数十万年に一度、突然逆転する。一番最近の逆転は約80万年前に起きた。この不思議な逆転現象は、地球の歴史の中で過去何度も起きたことは確認されていたが、その原因については長い間未解明だった。 しかし、この10年間におけるスーパーコンピュータの発展とシミュレーション技術の進歩によって、実際の地球と同じ形の磁場や、その逆転現象さえもコンピュータの中で再現できるようになった。