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水処理膜グループ / 高性能水処理膜の創製

 

高分子多孔膜の構造形成過程に関する数値シミュレーション

相分離法を用いた多孔膜作製におけるSpinodal分解過程について、Phase field法を用いて、多孔構造形成シミュレーションを行っています。図1は非対称構造形成のシミュレーション結果の一例です。図中の黒い部分が孔であり、長方形の部分が膜の断面を示しています。右側で孔がなく、左側で孔が形成されているという非対称構造が再現されています。
 TIPS法による非対称膜形成の数値シミュレーション結果
図1 TIPS法による非対称膜形成の数値シミュレーション結果

生体模構造を模倣した逆浸透膜・正浸透膜の開発

生物はタンパク質やペプチドなどの機能性分子を用いることで、対象の分子を選択的かつ高効率に細胞膜の内外を輸送しています。水分子も例外ではなく、Aquaporinといった水チャネル分子により輸送していることが分かっています。Aquaporinはその内部に水とほぼ同じ大きさの孔を有しており、水分子のみを高選択的、かつ高効率に透過させることができます。このような生体由来の水チャネル分子は、従来用いられているポリマー系逆浸透膜より、2桁以上速く水分子を透過することができます。私たちは、この細胞膜の優れた機能に着目し、生体模倣的アプローチから、正浸透膜・逆浸透膜の開発を行っています。多孔性の支持体表面に、細胞膜の構造の模倣として、リン脂質の二分子膜を形成・固定化し、生体由来の水チャネル分子を導入することにより、水処理膜としての応用を試みています。
精密ろ過における微粒子分散液の膜ファウリング発生挙動
図2 精密ろ過における微粒子分散液の膜ファウリング発生挙動