「かいれい」グアム━横須賀 観測航海 2002


2002/10/26-11/12 「かいれい」のマリアナと水曜海山の観測に同乗した記録 [吉田茂生]

主席研究員:島伸和
次席研究員:後藤忠徳


10/26

朝早起きをして関西空港からグアムへ。

夕方グアムに着いて、チェックインの後、K Mart で買い物。 夜は皆で近くのステーキレストランで食事。グアム第一ホテル泊。


10/27

天気は晴れ。昼から航海のための準備作業。

まずは、前の日に泊まったグアム第一ホテルの写真。 インターネット予約で比較的安く(ツインで $77)泊まれる。 今日はゆっくり遅く起きたので、午前は ABC store で買い物をして、 昼少し前にはタクシーで「かいれい」へ。

荷物運びをして、その後、だいたい OBEM の準備作業を見せてもらった。

以下、しばらく OBEM の準備作業の様子。まずは、 ガラス球を取り出している写真だが、これは ストロボを発光させなかったので手ブレしている。 なお、左の青い服は岩本さん(神戸大)、右は市来さん(JAMSTEC)。以下、 写っているのはだいたいこの二人。次に、ガラス球を 設置台に置いたところ。このガラス球の中に入る センサー部はこのようになっている。3階建ての1階がフラックスゲートの センサー、2階が傾斜計、3階がデータ記録系となっている。 上から見るとデータを記録するフラッシュメモリなどが見える。 なお、データ量は、1秒サンプリングだと1日で 1.5 Mbytes になるそうな。 さて、そのセンサー部を半球に乗せるとこうなるのだが、 これはまたストロボを忘れて、手ブレ写真になってしまった。で、 ストロボを光らせて撮り直したのがこれ。さらに、 上に半球を重ねて真空引きをする。市来さんが持っているのが真空を引くチューブ。 それが終わると、2つの半球の境目に隙間を埋めるものを貼る。 ただし、この写真もストロボなしで手ブレしているのでまた 撮り直し。さらにそれの上に黒いテープを貼るとできあがりで、それをさらに オレンジ色のケースに詰める。以上が1台目で、 同じことをもう一台に対して行う。これは、その2台目の 真空引きを始めようかというあたり

OBEM がだいたい終わったので、電流源のケーブル関係の作業のようすを見に行く。 まず、円筒からケーブルが出てゆくところの 接続のようす。次に、日本海洋事業の方が 作業をしていたケーブル類

上の調査指揮・計算機室にあったOBEM の音響トランスポンダーの コントロール装置

船の甲板に上がってGPS アンテナ。比較的小型の丸いものが 取り付けてある。これで differential GPS ができるそうである。

あとは、船の上で記念写真。船とアプラ湾。あとは 神戸大の学生と記念撮影。1枚目は 左から松野、岩本、北田、川田、2枚目は 松野、北田、吉田、川田

夜は、DFSギャレリア付近で食事。お魚料理店。


10/28

天気は晴れ、今日は出港の日

午前中は主として後部操舵室でコントロールソース電源まわりの準備状況を撮影していた。 これは Power Unit の電源部を島さんがチェックしている ところ。またこれは電源ユニット背面の配線のようす。 左側の箱は2段重ねで、上に載っているのはコントローラ部。そして 電源から AC 側につながるスイッチ部の配線の様子。 これは例によってストロボなしでブレてしまったので、 ストロボを発光させて撮り直し。ただ、これはプレート部分が光って飛んでしまった。 なお、電源からスイッチにつながるケーブルの両端の接続状況は、No1 が白とB、赤とA、 No2 が黒とB、白とAだそうな。以上のスイッチの接続部には テープを貼って保護。左は多田さん、右は野木さん。 さて、電源部のチェックの結果、片方のグラウンドがきちんと取れていないことが判明した ので、中身を開けてみる。そして、 グラウンドを筐体に接続。左は多田さん、右は島さん。 その作業が一段落したところで、多田さんが説明をしている。 同じ写真だが露出が少し明るめのものをここに。右は川田さん。

さて、外へ出てみると、ケーブルのウインチへの接続作業中。 右が島さん。下が後藤さん。その上の甲板では、後部操舵室への出口部分で 笠谷さんが作業中。ふたたび目を下の甲板に転じると さっきの作業の続き。さらにその続きで 島さんのアップ。下の甲板に下りてウインチの様子を 見に行く。これは電極の側。左の黄色いのがスリップリング。 スリップリングから、ウインチのワイヤ自体に電流を流すことになる。 裏に回って、こっちが電源の側。後藤さんがケーブルの整理中。 同じ側からのウインチの全体のようす

後部操舵室も一段落。ちょっと露出が暗すぎたので 明るめのをもう一枚。Power Unit と波形を見る装置が 並べてある。

このあと昼食。

1時出港。以下、出港の風景。タグボートが船を曳いている。 ついでに向こうの景色を入れてもう一枚。 そうこうしていると船はいつの間にか岸壁から離れている。 そのうちタグボートも離れて自力航行。後ろの船は軍艦? 以下、だんだんと陸地から離れていく様子。神戸大の学生、 日本海洋事業の方の後姿とアプラ港(右舷)島の一部は雨らしい(左舷)「かいれい」の煙突と佇む川田さん停泊中の貨物船(右舷) 離れゆく突堤尖端と多田さん(右舷) もひとつ離れゆく突堤尖端(右舷)、一方左舷は オロテ半島尖端これもオロテ半島尖端(左:北田、 右:岩本)、というわけで湾から出て 陸を後ろに(右舷)左から松野、北田、多田遠くにはリゾートのあるタモン方面、さてこれから外洋と いうところで航海船橋甲板全景、そして下の上甲板後部から 去りゆくグアム島と船の波。今日は天気もよく凪いでいて 船もそれほどは揺れない。

3時からは打ち合わせ。今後の予定は

その後、コントロールソースの電源にとりあえず通電してみるということで 準備中。右下の筒状に電熱線を巻いてあるもの (白い物体)に電気を流そうとしている。左下の多田さんは(写っていないが) 直流を流すケーブルの電源側の細工中。しかし、実際に電気を流してみる前に 夕食の時間となる。

夕食。船の食事はけっこう量が多い。 毎食満腹しているから太ること間違いなし。写真も全部入りきれなくて、 左の切れかけているのはあさり汁ともずく酢。 今日は3食とも魚が一匹ずつ出た。豪勢である。

夕食後、通電してみる。作業している島さんと多田さんの 後姿斜め前方から見た姿。電圧が180Vくらいで 打ち止めになるそうな。とはいえ、今回予想される電圧は 10A x 10Ω = 100V くらい だから問題はないらしい。今回は、ウインチに流せる最大電流が 10A ということで 上限が決まっている。で、抵抗がケーブルと海と合わせて 10Ωくらいと予想される そうなので(うちケーブルが 7.5A)電圧は 100V だそうな(後藤さんによる)。

外に出るとちょうど日没の時間で、太平洋の日の入りその1 (これはちょっと手前に船の一部が写ってしまって失敗:もちろん切ればよいのだが)その2その3である。

階下のリサーチルームでは、ずっと岩本さん(中央)と 北田さん(左)が地図を前に航路を決めている。 これはストロボを光らせずに横から撮影したもの(左:岩本、右:北田)


10/29

天気は今日も晴れ。今日の予定:OBEM(ERI3つ球型)回収、コントロールソース通電試験

朝、早起きをして、早速第1の OBEM の回収作業。BENTHOS 製の 信号の送信装置のコントローラそれにつながる トランスデューサ。そのトランスデューサは窓から このように外に出している

ここで突然カメラを空に向けて朝日の写真

さて、XBT をやっているということで外に出て行ったら、ちょうど終わったところであった。 でも、一応記念写真その1その2

それで OBEM 回収に戻る。OBEM からお返事がなかなか 帰って来ないとお悩みの面々(左から伊藤、市来、後藤、島)。 結果的には、トランスポンダはどうやら信号は受けていたらしいが、 返事ができなくなっていたということらしい。しかし、この時点ではわからない。 外のトランスデューサはこのように吊り下げられていた: その1(左から笠谷、野木、岩本)その2(手前は、返信音を聞くために取り付けた 別のトランスデューサ。左から笠谷、野木)。いったん朝食とし、 その後、船を移動して、もう一度トランスデューサを入れなおす。 入れなおしているようすその1(左から笠谷、岩本)その2その3(これは 返信音を聞くための方:笠谷)

さて、一方こちらはコントロールソースの準備。 FISH(中継器)を取り付ける金具の組み立て(左から松野、北田)FISHFISH とふたつの電極電極から出ているケーブル。なお、FISH には、 深度計(圧力計)、高度計、OBEM や船との間の音響測距用の装置などが 組み込まれているそうである。また、電極が円筒形なのは、表面積をかせぎつつ 便利な形状という意味だそうである(島さんによる)。下に降ろす方の電極には FISH だけではなく SSBL に応答するためのトランスポンダも付けておく。 黄色の球がそのトランスポンダ、その横が FISH。 外の後部甲板では、海底に下ろす電極を結わえ付ける作業が行われている その1その2その3

OBEM の回収作業に戻る。応答のなかった OBEM は浮かんできていたようで、 だいぶん浅くなってきたところで応答があった。 その信号の送受信装置(青色)と、向こうのは返信信号を聞くための コントローラ。本来は青色のものだけで十分だが、それに合う端子のある ヘッドホンもしくはスピーカがなかったので、代わりにもう一つ別の トランスデューサを用いて返信音を聞いた。めでたく返事が返ってきたので トランスデューサは引き上げる。引き上げられた後の BENTHOS 製トランスデューサ 斜め上から斜め下から

ふたたびコントロールソースの方の準備の続き。電極からのケーブルの接続作業 風景その1その2。 その後接続作業が一段落した後の海底に降ろす電極まわりのようす その1(手前の黄色いのが音響トランスポンダ)その2(こちらは電極側。手前の輪におもりを付けることになる)その3(電極本体とそのまわりのロープ)その4(SSBL 用音響トランスポンダ)。 電極からのケーブルはウインチから 出ているケーブルにつながっている。

9時45分ころ、浮上してきた OBEM 発見。作業艇 で取りに行く。作業艇が OBEM を引っ張りながら本船に戻ってきて その1その2 本船の後部で OBEM をクレーンにつなぐ。 ケーブルにつながれた OBEM。作業艇はすでに離れている。 吊り上げられる OBEM その1その2その3その4。ゆっくりと船に降ろされる OBEM その1その2。 その後、電極部分が外される その1その2その3(電極の先にふたを付ける)その4(この写真は横向き)。 その後、データの回収。データが取れていますようにと 祈る市来さん(この写真手ブレ)

コントロールソースに戻る。海面側の電極用のケーブルを伸ばす 石井さん、瀧澤さんその1その2。FISH を取付金具に結わえ付ける作業 その1その2 (この写真は横向き)。海面側の電極を結わえ付ける作業 その1その2その3その4。 ところで、コントロールソースの電源は 後部操舵室にあり、そこからケーブルはこのような形で 出てきている。 海底側電極を吊るロープの様子その1その2。海面側電極は 右舷後部に移された。 海底側電極には錘が取り付けられる

ここで昼食

午後、いよいよ通電試験のため、海底側電極を吊り降ろす その1(横向き)その2(横向き)その3(横向き)その4(横向き)その5その6。下から、錘、電極、 SSBL 用音響トランスポンダの順で付いている。海底に降ろす間、ウインチが回っている その1その2。 少し降ろしてから、FISH を取り付けその1その2その3、 海に降ろすその1その2

回収された OBEM は役目を終えて、クレーンで吊られて収納される その1(ストロボなし、手ブレ、横向き)その2

上の調査指揮・計算機室では SSBL のテスト。うまく行っているらしい。 その1その2。 FISH も取れているらしい。

それが終わって通電試験開始。初めに、あるところがショートしていることが 発見されていろいろ調査されたが、電極の方ではなく 手前の方の問題でたいしたことではなかったらしい。その後順調に試験が行われている ときのコントローラの様子その1(後姿は島さん)その2その3 (後姿は多田さん)。通電後にウインチで温度測定が行われた その1その2。 その後、試験も終わって、ケーブルが巻き上げられている

夕食は洋食(魚と肉と両方)。


10/30

天気は今日も晴れ。今日の予定:OBEM(Kobe, ERI3つ球型)回収、投入 OBEM 準備

今朝は6時から OBEM(Kobe) No7 に浮上命令を出す。 船のトランスデューサを使うため、操舵室後方の調査指揮・計算機室で コマンド操作を行う。応答はすぐに帰ってくるものの 上がってくる気配がない。コマンドを送る多田さんその1 (左から多田、瀧澤、渡瀬電子長)その2(左から岩本、多田、瀧澤)その3(左から多田、瀧澤)その4(左から岩本、多田、瀧澤)。多田さんの前の パソコン画面。50分くらいしても なかなか浮かんでくる様子がないので疲れ顔の面々

そうこうしているうちに朝食

朝食が済んでも上がってこないので、しょうがないから一休みして、投入する OBEM の 準備に入る。浮上のための切り離し部その1 (ストロボなし、手ブレで失敗)その2その3。錘の部分の 組み立て作業中(左から岩本、野木、多田) OBEM を取り付ける枠組み。輪になっているプラスチックの部分に 電極をつける。これはスイス製の新兵器らしい。錘に切り離し装置を 付けているところその1 その2、および取り付けられた結果。 さらにそれを枠組みに取り付けているところと 取り付けた結果その1その2(切り離し部のアップ)

そうしているうちに昼食。 投入 OBEM の準備続き。球を2つ枠に載せてみたところ。 下に見える青いのはトランスポンダで、それらを順次取り付けてゆく。 作業中の多田さん 。多田さんがやっているのは 先取りブイの取り付け。 トランスポンダの写真その1(下面)その2(上面)その3(斜め上から)。 先取りブイの写真その1(アップ)その2(横向き全体像)トランスポンダ取り付け作業中(左:岩村、右:松野)。 先取りブイ取り付け作業中の多田さんその1その2。作業中の神戸大大学院生グループ その1その2。 左から多田、松野、岩村、北田。その後、私(吉田)は、フラッシャーと ビーコンのおそうじの手伝い。今日はその取り付けまでは行かない。 今日の段階での OBEM の完成図その1その2その3。 センサー球、電源球、トランスポンダ、先取りブイ、錘、ロープが枠組みに 取り付けられた。

さて、3時ころから OBEM(ERI3つ球型)No10 に切り離し命令を送る。 コントローラの写真。昨日と同じく 青い方が主で、下においてあるものは応答を聞くためだけの補助。 しかし、例によって応答なし。今日の場合は最後まで見つからず。 この OBEM は投入時から応答がおかしかったようなので、そもそも 信号を全く聞いていない可能性が高い。

夕食後、OBEM を探しながら、夕焼け


10/31

天気は今日も晴れ。今日の予定:OBEM(ERI3つ球型)回収、投入 OBEM 準備

朝日

今朝も6時から OBEM 回収作業。信号を送るが、例によって BENTHOS は 応答なし。応答したかもしれないという信号はあるがはっきりせず。 作業中の後藤さん島さんの様子その1その2その3。 またかという感じがうかがえる。その横で、伊藤さんと瀧澤さんが 黙々とログを取りつづけている。外では トランスデューサを入れて信号待ち

そうしているうちに朝食

朝食後、OBEM の応答信号が受かったとの報あり。甲板では 回収準備作業が始まる。そのうちに、浮いてきたのが見つかったとの知らせがあり、 一番上の甲板に見に行って見ると、確かに浮きと本体が見える。 写真はだいぶん近づいてから撮ったもの。ここまで近づくと 本体の電極の腕も見える。良かったと見つめる島さんと 後藤さんの後姿。さて、船に十分近づくと、右舷から 綱で引っ掛けて回収のために船の後部へと引っ張ってゆく。吊り上げの様子 その1その2(写真横向き)。 だんだん上げてきて 船に降ろす。降ろしたら綱で固定。ところで、ちなみに 一番上の段の向こう側に付いているバケツは、先取りブイを入れておいたところだそうな。 錘が外れると、綱が出てきてブイが出てくる仕掛けになっている。さて、固定が終わると 笠谷さんが散水。その後電極に ふたを付けて電極の腕の取り外し。そのあと 電極の後始末(市来)。なお、錘の切り離し装置は 2日前のものと同じく先のだるま型の部分が折れていた。 一通りの作業が終わったら、データ回収。

OBEM の回収が終わると、今度は昨日の続きで、投入する OBEM の準備。 ビーコンとフラッシャーを取り付けた姿。 そのあと、トランスポンダのテストをした。その他、いろいろ細かい調整をする 多田さん(左)と松野さん(右)

昼食その1(ストロボあり) その2(ストロボなし)その3(ストロボなし、 ホワイトバランスを昼光色蛍光灯用で補正)。色は「その3」が一番良いが、 やはり手ブレが若干入ってしまうためにシャープさでは「その1」が一番良く撮れている。

午後は各自の仕事で過ごす。私は、昼寝、論文原稿修正、論文読みなど。

やがて夕食。今日はラーメン、餃子と中華風。 さらに後から鳥の水炊きがもう一品。デザートは グレープフルーツ。いつものように満腹。

忘れないうちに生活空間も撮っておく。これは 私の部屋(研究員A室)。机、冷蔵庫、ベッド、ソファーとそのへんの ビジネスホテルよりも立派。この部屋まではベッドメイクが入るので、 私が雑然と物を散らかしている割に、毛布だけはきっちりとした形に なっているのがわかる。これは主席研究員室。 少し広めで応接セットもある。そこで、必然的に夜の飲み会部屋となる。 洗濯室。洗濯機と乾燥機が2台ずつ。洗濯機は 必ず節水モードで使うようになっている。乾燥機は結構時間がかかる。 それから風呂その1(ストロボなし、手ブレ)その2(ストロボあり)。だいたい二人入ると 一杯になる広さ。


11/01

天気は今日も晴れ。今日の予定:OBEM(ERI2つ球型、神戸型×3)回収

今日もまた6時から OBEM No.3(ERI2つ球型)回収作業。今日は順調。 元気に応答もあり、5分程度で切り離しが確認される。予定浮上時刻 7 時 55 分。 コントローラのまわりでコマンドを投入し応答を聞いている面々 その1(左:市来、右:島)その2(左から市来、島、後藤;大丈夫そうということで 安心の表情)その3(応答が16回あるかどうか 指折り数える島さん)。それから外で トランスデューサの様子を見ている人々。 今回の音響切り離しは日油製:コントローラ部、 トランスデューサ部その1その2。日油はもともとダイナマイトとか火薬を扱う 会社で、その点火装置も作っているので、切り離し装置もその応用としてやっている そうな。ただ、OBEM 用としては、すぐにスリープモードに入ってしまうという 少し不便な点もある。 n

そうしている間に撮った朝日の写真その1その2(その1から20分後)その3(その2より露出明るめ)

朝食

朝食後のちょっと暇な時間にとりあえず作業艇の写真 その1その2。 ただし、今日は風が強いので作業艇は使わない。作業艇を使ったのは、 これまで 10/29 のみ。

さて、OBEM が発見され近づいていった。 その後直ちに船から船からロープを投げてつかまえる。 だんだんと船の後方へ誘導。 後尾から吊り上げその1 その2デッキに上げる。上がったら ロープで固定し 電極にふたをする。その後、市来さんが散水、 終わるとよってたかって電極のパイプを取り外す。 一段落したら中の方に入れて、データ吸い上げ その1(左から川田、笠谷、市来、後藤)その2(左から笠谷、後藤、市来)その3(船が揺れたのでブレてしまった)

回収作業が一段落すると、一方では投入する OBEM の電極の準備に入る。 パイプをとりあえず付けてみたところ(左から 松野、島、瀧澤;実は瀧澤さんの時計の話をしている)。それから、 島さんによるパイプの穴あけ作業その1(横向き)その2(横向き)。同時にパイプ切り作業も行われている。 また、これ以後、穴あけ作業は船員の方にお願いすることになった。

今度は神戸型 OBEM No.4 の回収に入る。操舵室の後ろの調査指揮・計算機室で コントロール。例によって、応答には答えるのだが、 なかなか切り離された様子がないので心配そうに見守る人々 その1(多田さんにストロボが近すぎて顔が白くなってしまった)その2(左から島、多田、野木)その3(立っている人は、左から田中船長、島主席研究員、渡瀬電子長)その4(左から川田、後藤、島、野木、多田、渡瀬電子長)その5(左から野木、島、笠谷、田中船長、伊藤、渡瀬電子長)その6その7(左から野木、田中船長、伊藤、渡瀬電子長)。 切り離されないので、とりあえず次のサイト(No.5)に移ることにする。

このあたりで昼食。今日は焼きそば。

昼過ぎ、No.5 も例によって応答はあるのだが、切り離されない。 さらに No.6 へと進む。

その間、投入 OBEM の電極パイプ作り作業が上甲板(2F)で行われている。 開けた穴をやすりで調整している岩本松野北田。 穴の調整が終わったら、目印と滑り止めのテープを巻いて今日の作業は完了。

神戸型 OBEM 回収は相変わらずでなかなか OBEM が切り離されない。 お悩みの鳩首凝議その1(左から後藤、島、野木)その2(左から多田、笠谷、後藤、島、野木)

夕食はステーキに刺身に鯛に貝に赤飯に土瓶蒸しという豪華な取り合わせ その1(ストロボなし) その2(ストロボあり)

夕食後も OBEM は相変わらずで、徹夜の態勢(左から 瀧澤、多田、野木、川田)。電池が持つ限り電流を流しつづけてみて、 切り離し装置が切れるまでがんばるつもり。しかし、結果的には 神戸型4台はどれも切り離しがうまくいかず、全滅。


11/02

天気は今日も晴れ。今日の予定:MMR 用 OBEM 切り離しテスト、 MMR 用 OBEM の投入準備と投入(MMR は水曜海山ではなくマリアナでやることになった)

今日は普通に7時に起きて朝食。

朝食後、まず、OBEM 切り離しテストをする。長期に置いていた4台が すべて回収できなかったため、念のためまず一台で回収テストをすることにした。 そのテスト用 OBEM の準備その1(左から多田、瀧澤、島)その2。なお、画面が白っぽくなってしまっているのは カメラのレンズが曇っていたせい。霧がかかっていたわけではない。その後、投入して テストをする。

さて、その後ろでは投入するその他の OBEM の準備作業。これは ビーコンの先にアンテナ棒を取り付けた姿の OBEM。 取り付ける電極の一組目二組目。で、いろいろチェック作業や、ケーブルを さばいたりして、まず、これは電極を付けない OBEM の準備が済んだ姿。電極を付けるほうは、電極用のパイプが3成分伸びていて このような姿になるその1(左:岩本、右:石井)その2(岩本、石井でケーブルをさばいている)。 電極パイプの先はこんな具合になっている。 グラウンド用の電極はこんな風にテープで固定してある。 ケーブルのおそうじなどをしている神戸大院生たち その1(左から松野、北田、多田)その2 (左から北田、松野、市来)

その作業が終わりかけたところで昼食その1(ストロボなし)その2(ストロボあり)

昼食後、13時ごろテスト用の OBEM の回収その1その2。「その2」を見るとわかるように、 電極用パイプのうち水平の2本がなくなっていて、垂直の1本のみが残っている。 詳しく見ると、パイプを取り付けるプラスチック留め具を留めていたネジが折れて しまったらしい。どうやら、パイプに強い力が加わって、プラスチック留め具ごと 外れてしまったらしい。そこで、これから投入する OBEM の電極パイプの留め具は ステンバンドで補強することにしたその1その2

その後は、MMR 用 OBEM を6台投入(正確には、電極を付けているのが2台と、 付けていないのが4台)。電極なしの OBM 1台目その1その2その3その4その5。 電極付き OBEM 1台目その1その2。電極付き OBEM 2台目。 15時すぎには全部投入完了。

ところで電極付き OBEM 2台目の投入を待っているときにシイラのような魚が 船のすぐ後ろを泳いでいた。写真はシャッターチャンスを ちょっと逃していて、海が白く泡立っている部分の左上にかろうじて尾が見える。 もう少し早くシャッターを切っていれば3匹見えていた。

15時50分からミーティング。これからの計画が話される。OBEM は 中部マリアナのアリスなんちゃら熱水地域を中心とした6箇所に投入されたことが 説明された。明日から3日間、1日1測線ずつくらいで、朝6時から夜8時まで MMR 探査を行うという計画。

夕食は肉と魚と烏賊その1(ストロボなし)その2(ストロボあり)

夕食後、重力計室を見学。重力計は BODENSEEWERK 製。 海の方ではよく使われている会社らしい。ジャイロの上で水平を取っている。 重力計上面のアップ。海の重力の精度は 1mgal 程度 だそうな。横には結果をモニタしているノートパソコンがある その1(ストロボを発光させてしまったので画面が見えない)その2(ストロボなし。重力値とエートヴェス補正の値が モニタされている)


11/03

天気は今日も晴れ。今日の予定:MMR 第1日目、測線1

今日は朝まだ暗い5時半からスタンバイ。5時50分過ぎに海底用電極投入。 ぎりぎり投入の時に起きてきたのだが、カメラにメモリカードを入れるのを 忘れていて、撮影できなかった。しかし、中継器(FISH)投入には間に合う。 中継器を付けるために運んでいるところ、 ワイヤーに付けているところその1その2。そして 海中に沈める。まだ暗かったので写真が少しブレている。

さて、空を見上げると細い月が見えている。 しばらく待っていると日の出その1その2その3

今日からは2交代でお仕事。朝食後、私は、指揮室で記録係。これは 船の位置などが表示されるパソコン画面、 こっちは、トランスポンダの位置などが表示される パソコン画面。トランスポンダ(FISH)の高度計の信号がなかなか 受からないので、SSBL-ベントストラポンという組み合わせに変えたりする。 そのうち岩本君が、シービームの強い音を避けて交信すると受信率が 上がることを見つける。そんなこんなで何とか仕事の手順が来まる。 写真は、昼食時の交代直後の指揮室の様子。 左から、伊藤、後藤、岩本、多田。

昼食はひやむぎ、さんま、ステーキその1(ストロボなし)その2(ストロボあり)

昼食後は当番を交代して暇になったので、後部操舵室の様子も見に行く。 野木さん、松野さんがコントローラに操作手順を書いた テープを貼り付けた。通電を停止するあたりの後部操舵室の様子 その1(左から石井、野木、松野)その2(左から松野、野木、石井)

その後、夕食までは本や論文を読んだりして過ごす。そして、今日もまた 豪華な夕食。右の方にはごはんもあり、デザートは アイスクリーム。

夕食後、ふたたび指揮室で記録係。お休みしている間に、船が泊まってから 電極の位置が落ち着くまでに30分くらいかかることが判明していた。 時間の関係で、点10を最後とし、その後、20分くらい移動しながら測定を継続し、 それで今日の分はおしまい。指揮室の記録係は結構忙しいので写真を撮る暇がない。

20時前に電極を引き上げる。その後、電極まわりの点検調整をしている 写真


11/04

天気は今日も晴れ。今日の予定:MMR 第2日目、測線2

今日も昨日と同様2交代で MMR を行う。私は7時に起床して 朝食

朝食後すぐ昨日同様、指揮室で記録係。昨日と変わっていたことは、 昨日おもりがなかなか船についていかなかったので、おもりを 500 kg から 1t に増量したこと。多少はおもりの落ち着きが速くなったようではあるが、 でも結局やはり 30 分くらいかかるようである。今日はだいたい毎時正時に 通電開始、30 分に通電終了というペースで規則正しく観測が進んでいる。 7時から始まっているので、この調子であれば、今日は予定通りの 12点の観測ができるであろう。記録係はだいたい深度を常に チェックしていないといけないので、相変わらずゆっくり写真を撮る暇はなし。

昼食。昼食後は、本読み、MMR 電流問題考察、 昼寝、論文読み。

夕食はうな丼などいつものようにたくさんその1 (ストロボなし)その2(ストロボあり)。 デザートはみかん。夜食用に持って帰る。

夕食後はふたたび、指揮室で記録係。11点目の途中から12点目。 無事終了。ただし、12点目で電極深さに強気の読みをしたので、 おもりが海底に引っかかったようである。なかなか計算どおりにはいかない。

今日は19時40分ごろ引き上げ。今日は海底付近の電極の引上げ作業を ちゃんと撮影した。中継器(FISH)が海面に姿を現し、 上がってきたところその1その2。それから中継器を取り外すところ その1(写真横向き)その2。さらに100メートル程度引き上げて 黄色のトランスポンダーから電極本体が上がってくるところ その1その2(写真横向き)。 それらを周りから竿と綱で引っ張って船上に引き上げる その1その2。 船上に上がった海底付近の電極 その1その2。 ただちにその後のチェック作業が始まる。電極のチェック作業などを しているところその1(ストロボあり)その2(ストロボあり)。この2つの写真で 手前は左:島、右:瀧澤。


11/05

天気は今日も晴れ。今日の予定:MMR 第3日目、測線3

今日も昨日と同様2交代で MMR を行う。朝食後、例によって指揮室で記録係。 詳しい地形が分かってきたので、ケーブル繰り出し長などのコントロールも だいぶん予想通りに行くようになってきた。慣れてきているせいと、船の移動も 速いせいもあり、昨日よりさらに30分ほど速いペース(昼食前の時点で)に なっている。交代直後の指揮室の様子(左から 後藤、多田、伊藤)

昼食は、すきやき、茄子のはさみ揚げ、魚の切り身、 ところてんなど。

昼食後は、本読み、昼寝。夕食は肉、魚、雑煮。デザートはパイナップル。

夕食後は指揮室での記録係。今日は順調に一日が終わる。19時40分ころには すでに電極が引き上げられていた。


11/06

天気は今日も晴れ。今日の予定:MMR 第4日目、測線1に沿って移動しながらの 連続観測を試みる。夕方から夜にかけて OBEM(No4) 回収再挑戦

今日は、0.5 knot くらいで移動して電極を曳航しながらの MMR を試みる。 朝食後、また指揮室で記録係。 今日は、5分毎に船の位置と電極の位置を読んで地形断面図上にプロットする という作業で休む暇がない。しかし、後部操舵室の方は暇なので、 川田君が応援に来て暇な時間ができた。川田君が記録係をやっているときの写真 その1(左から岩本、川田、後藤)その2(左から岩本、川田)その3(左から岩本、後藤、川田)その4(左から川田、岩本、島、後藤)その5(左から後藤、島、岩本、川田)

昼食はそば、魚、肉。

昼食後は、本読み、昼寝。ところで、私が惰眠を貪っている間に、電極が切れるという 事件があったらしい。私が、起きてのこのこ甲板に出て行ったら、電極はすでに 引き上げられていて、片付け中であった。片付けられた 電極など。電極表面はすでにすっかり錆色になっている。

夕食。食べすぎか船酔いか今日はどうも食欲がわかない。 2皿残す。それでも結局ぜんぜん腹が減らなかったところを見ると、やはりここの食事は 私の胃腸の能力には多すぎるのだろう。

夜は笠谷さんと、前に上がってこなかった神戸型 OBEM の様子を監視しつづけるために 指揮室で過ごす。OBEM に切り離し用電流を流しつづけ、10分おきにトランスポンダ までの距離を測る。やっぱり上がってこない。20時から4時間、ひたすら数字を記録 し続けるものの、やっぱり上がってこないねえで終わってしまった。その後、朝の5時 まで野木さんと北田君がその仕事を続けたがやはり徒労に終わったそうだ。


11/07

天気は今日も晴れ。今日の予定:MMR 用 OBM 6台の回収。

朝食

さて、朝食後早速 OBEM の回収。まず、1台目の OBEM。右舷からロープで捕まえる。 その1その2その3その4 (写真横向き)。後方に引っ張っていって、後ろから回収 その1その2。 すぐに電極のキャップを取り付けて、 その後散水。その後、ビーコン、フラッシャー、電極などを取り外して データの吸い上げ態勢になった姿。 ところで、回収は「投げ縄」でひっかけるところから始まるのだが、 それに使う「投げ縄」はこんなものである。 お次は、第2の OBEM の回収。海に浮かんでいる姿その1その2。回収作業中の船員さんの姿 その1その2その3。回収されたOBEM。 データ吸い取り作業中の多田さん、島さん。 電極コネクタ掃除中の市来さん、松野さん。 その次の写真は3台目だったか4台目だったかの OBM。海に浮かんでいる姿 その1その2。 電極がついていないものは、船の右舷から引き上げられる。回収を終えたところで 突然の大雨その1その2。 しかし、雨はすぐに上がる。そして5台目 OBM。 海に浮かぶ姿。船員さんが捕まえる様子 その1その2。 さて、回収が終わった OB(E)M たち5台 (左から市来、多田、松野)。実は6台目が切り離されず浮上しない アクシデントが発生。また、OBM のうち、2台から、回収作業中に、 フラッシャーとビーコンが失われるアクシデントも発生。 フラッシャーとビーコンで 30 万円 × 4 = 120 万円 の損失だそうな。 データ吸い取り作業中の多田さんと松野さん

昼食後、本読み、昼寝、ミーティング。 今日は少し揺れが大きく気分が悪い。軽い読み物も持ってきてよかった。 エンターテインメント小説なら、気分が悪くても寝ながら読める。 夕食は、昨日に引き続き、3皿手をつけない。やはり量が多すぎる。 これくらい減らした方が気分が良いようである。 初めて酔い止めを1錠飲む。酔い止めを飲んで1時間くらいすると、 気分が悪いのが治まった。 やはり酔い止めは効くようである。夜は首席研究員室で宴会。


11/08

天気は今日も晴れ。今日の予定:午後に MMR 用 OBEM の解体作業

朝食。朝食後は自由時間。写真の整理など。 昼食はカレー。また1皿残す。

午後は OBEM の解体作業。解体前に5枚ほど接続の様子などを撮影したもの: 切り離し部付近 枠の内側の電源ケーブル、トランスポンダー付近 その1その2 その3。解体作業は総出で行われたので1時間ほどで終了。最後に 道具の錆止めをしている北田、岩本。 取り外されたOBEM の枠(左から市来、野木)

作業後、パソコンに向かっていると酔いそうなので、酔い止めをまた1錠飲む。 夕食はラーメン。また1皿残す。