現在の研究

 環境変化に応じて調節を受ける体内環境の中で、特にイオンや低分子代謝物質環境に着目して研究を進めています。
 また細胞内ホメオスタシスの中心装置である液胞の分子機構の解析を中心に研究しています。


  1. 植物は、必須栄養素であるリン酸の存在をどのように認識し、どのように取り込み、どのように利用していくか

    1-1.植物細胞質リン酸ホメオスタシスの維持機構
     細胞質のリン酸濃度が一定に維持される機構を、特に液胞膜におけるリン酸の取り込み、放出機構に基づいて解析する。

    1-2.植物体のリン酸分配・転流機構の解析
     シロイヌナズナやオオムギ、ポプラを用いて、根から葉、老化葉から若葉、葉から種子へリン酸の取り込み・分配・転流がどのように共役して行われているかを、リン酸の分布、リン酸輸送体の発現などを元に解析する

    1-3.フィチン酸およびイノシトールリン酸の生合成と液胞への蓄積、およびその生理機能
     発芽時に種子に蓄積することが知られているフィチン酸(イノシトール-6-リン酸)の生合成、蓄積、分解機構を調べている。また、イノシトールリン酸の新しい生理活性の可能性を探る。

  2. 液胞—液胞小胞系における細胞内物質輸送のダイナミクスがどのように制御さえているか

    2-1.液胞を構成する膜タンパク質、液胞内タンパク質、液胞含有物質の網羅的解析
     液胞膜プロテオーム、液胞内プロテオーム、液胞メタボロームによって植物液胞を構成する分子の全てを網羅的に解析する。

    2-2.液胞膜タンパク質の機能解析
     液胞膜プロテオームによって見出されてきた複数の膜輸送体について、どのような生理機能を担っているかを、メタボロームと組み合わせてその機能を明らかにする。

    2-3.液胞膜上の膜輸送体の一分子動態解析
     液胞膜に存在する膜タンパク質が、オルガネラ上にどのように分布しているかを一分子観察で明らかにし、その生理機能を解明する。

    2-4.植物二次代謝における液胞機能の解析
     液胞は、植物細胞が作る様々な二次代謝産物の蓄積場所として知られていますが、それらの合成にも関わっていることが想定されています。植物細胞が示す二次代謝過程に液胞が果たす役割を明らかにする。

  3. 植物は、高塩環境でどのようにイオン処理をしているか

    3-1.シロイヌナズナを用いた、高塩処理時の液胞機能の解析
     植物が高塩環境にさらされた時に、液胞に塩が蓄積される機構を、特に液胞小胞が液胞に融合する過程を中心に解析する。

    3-2.マングローブの耐塩性機構の解析
     マングローブ培養細胞を用いて、塩処理時のイオン輸送機構や細胞内代謝過程の変動を解析する。

    3-3.シロイヌナズナを用いた有害重金属イオンの処理機構。
     カドミウムや銅などの重金属イオン耐性に液胞の塩処理機能がどのように関与しているか。

  4. 食虫植物膨圧運動の解析

    4-1.ムジナモ捕虫における膨圧運動機構の解析
     植物の運動機構の内、膨圧運動はイオンの急激な排出によってもたらされる。このイオン輸送機構の調節機構について検討する。

    4-2.タヌキモ捕虫嚢形成が、外部のリン条件と関連することが示唆されたので、リン条件がどのように捕虫葉形成に関わっているかを解析する。

    4-3.タヌキモ捕虫嚢の陰圧形成機構の解析
     捕虫嚢に陰圧を形成する、水の排水機構を分子レベルで明らかにする。

  5. セントポーリアの温度感受性機構
     急激な温度変化が与えられた時に、葉の柵状組織細胞が破壊される機構を、液胞との関係で明らかにする。

  6. 植物ホルモンと植物代謝機構の関係
     植物ホルモンオーキシンと、植物細胞の代謝過程の変動を同時測定することで、オーキシンの代謝過程への影響を解析する。

  7. 根の障害物認識機構

  8. 水草のイオン吸収機構