研究内容

 多細胞生物の発生や細胞分化の過程に重要な役割を担う転写後の遺伝子発現制御(RNAプロセシング、mRNAの核外輸送、mRNAの翻訳、mRNAの局在や安定性などの制御)と、それに密接に関与するRNA結合性タンパク質や小分子RNAの機能に興味をもって研究を進めています。具体的には、線虫 C. elegans をモデル生物として、主として生殖細胞の発生・分化過程におけるRNA情報発現制御機構について、分子遺伝学的及び生化学的な解析を行っています。

主な研究テーマ

1) 生殖細胞の性分化に関与するmRNA核外輸送制御に関する研究
2) 生殖細胞形成に関与するクロマチンリモデリングに関する研究
3) 小分子RNAによる生殖細胞の発生分化制御に関する研究


 線虫 C. elegansの雌雄同体


1) 生殖細胞の性分化に関与するmRNA核外輸送制御に関する研究

スプライシングされたmRNAにはY14蛋白質などを含むEJC複合体が形成され、mRNA核外輸送などに働くことが知られています。線虫においてY14の発現阻害を行うと、生殖細胞の性分化転換過程が異常となることを見出しています。


Y14蛋白質は生殖細胞の雌分化(卵母細胞形成)に必要である



2) 生殖細胞形成に関与するクロマチンリモデリングに関する研究

線虫C. elegans の生殖細胞運命決定因子である母性mRNP情報が生殖細胞特異的なクロマチン構造変換を伴う遺伝子発現制御に伝達される分子機構や生殖細胞の増殖開始を規定するシグナル伝達機構について解析を行っています。


線虫 C. elegans の始原生殖細胞に局在するmRNP顆粒(緑:PGL顆粒)
とクロマチン相互作用因子MRG-1(紫:MRG-1蛋白質)