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レーザー分子光科学研究部門

笠原研究室

当研究室では、主に波長可変単一モードリングレーザー、すなわち、きわめて単色性のよい光を光源とした高分解能レーザー分光法を用いて、気体分子の励起状態の構造とダイナミクスに関する基礎的な研究を行っています。分子の電子励起状態では蛍光を発して輻射過程により緩和するだけでなく、無輻射的な励起分子ダイナミクスが顕著に見られ、こうした現象は励起一重項状態が他の電子状態や振電準位と相互作用していることを示しています。本研究ではドップラーフリー分光計測システムを構築して、励起分子およびラジカルの構造・動的挙動と化学反応の基礎課程に関して、従来の手法では観測することができなかった分子の量子状態、状態間相互作用に関する正確で詳細な知見を収集し、その機構及び基本原理の解明を目的としています。

主な研究テーマとしては、以下の通りです。

多原子分子の高分解能レーザー分光

  • 多くの多原子分子の吸収帯は紫外領域にあるため、外部共振器を利用して単色性のよい紫外レーザーシステムを用いて、紫外領域における高分解能レーザー分光を行います。多原子分子のエネルギー準位は密に存在しているため、分子線装置を用いて冷却かつ無衝突での孤立分子の励起状態を観測します。

ラジカルの高分解能レーザー分光と磁場効果

  • ラジカルは不対電子を持つゆえに比較的小さな磁場でもエネルギー準位の分裂が期待され、高分解能スペクトルの外部磁場による変化から準位構造や相互作用を調べるのに適しています。特に、NOxやSOxは大気中での反応中間体として大気化学の視点からも興味がもたれており、これらの電子励起状態についての高分解能スペクトルと磁場効果から相互作用に関する知見を得ています。
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