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内海域センターについて

神戸大学内海域環境教育研究センタ-は、瀬戸内海の東部に位置するという地理的特性を背景に、内海域(閉鎖性海域)がもつ環境の成り立ちや機能メカニズムを明らかにするとともに、そこに生育する海洋生物の多様性や動態などを解明し、両者の関わりについて海洋環境・海洋生物の保全の立場から教育・研究・調査を展開することを志向しています。

また,内海域環境問題の解決に向けて,沿岸住民や社会全体の海域環境に関する理解を高め,保全意識の向上を図るため,市民に内海域環境の現状を伝え,また次の世代を担う学生・児童などに海の保全に関する環境教育を積極的に推進しています。

沿革

1954年(昭和29年)、神戸大学に理学部が設置されて以来、附属臨海実験所設立に必要な適地が県内に探し求められていました。1963年(昭和38年)に淡路島岩屋に淡路町から土地及び建物の寄付を受け、学内措置として臨海実験所が設立され、教育研究活動が開始されました。

1966年(昭和41年)、教育実習施設として管制が布かれ、助教授1名、技官1名の定員が配置されました。その後隣接地を購入し、1983年度(昭和58年度)に建物の全面的な増改築が行われました。1987年(昭和62年)、助教授振替の教授、学内措置による助手の配置等があり、1995年(平成7年)4月、拡充改組により「神戸大学内海域機能教育研究センタ-」として新たに発足しました。2003年(平成15年)10月,神戸大学と神戸商船大学との統合に伴って,神戸商船大学の教官3名が加わり,「神戸大学内海域環境教育研究センタ-」として拡充改組しました。2007年(平成19年)4月,「神戸大学自然科学系先端融合研究環内海域環境教育研究センタ-」として改組しました。2014年7月,「教育関係共同利用拠点」に認定されました。2016年4月,大学の機構改革に伴い,基幹研究推進組織の一つとして「神戸大学内海域環境教育研究センター」に改称しました。

所在地と環境

本センターは,六甲キャンパス,深江キャンパス,マリンサイトの3カ所にスタッフが配置されています。

マリンサイトは,瀬戸内海国立公園の東部に位置する淡路島(兵庫県)の最北端,淡路市岩屋に設置されています。淡路島(面積595km2,周囲203km)の東西両側はそれぞれ内海性の大阪湾と播磨灘,東南部は外洋性の紀伊水道に面しています。また,3つの海峡,明石海峡,鳴門海峡,紀淡海峡を隔て,本州や四国と向かい合っています。

淡路島の気候は温暖で,年平均気温は14~16℃,降雨量(1,400mm)は少ない方です。明石海峡と鳴門海峡には神戸淡路鳴門自動車道の明石海峡大橋(1998年に開通した世界最大の吊り橋)と大鳴門橋(1985年に開通)が架かり,それぞれ兵庫県神戸市と徳島県鳴門市に結ばれています。

淡路島では海岸埋め立てやコンクリート護岸工事などにより,自然海岸が年々減少していますが,本センター近辺の浅瀬ではカジメやホンダワラ類の藻場がまだ見られます。紀伊水道に面した洲本市由良町から鳴門海峡に面した南淡町にかけての一帯には自然の海岸(磯場)がよく残されており,多種類の海浜生物が豊富に生育しています。また,由良町周辺には干潟が残っており,同町の成ケ島の砂州には,ハマボウなどの貴重な海浜植物も群生しています。

淡路島は国生み神話(古事記・日本書紀)に登場すると共に,古来より朝廷に食材を献上して御食国(みけつくに)と呼ばれてきましたが,現在でも美味食材の宝庫で農業・酪農や魚業は重要な産業です。近年は温暖な気候を利用したカーネーション,スイトピーなどの花卉園芸,柑橘類,枇杷などの果樹園芸,さらにワカメ,ノリの養殖が盛んに行われています。

センターがある淡路市には,万葉集にも詠まれた絵島(離水波蝕棚)や松帆の浦,植物学上貴重な大和島のイブキ群落(県指定天然記念物)など,多くの自然が残されています。播磨灘に面した隣の北淡町には,阪神淡路大震災で出現した野島断層(国指定天然記念物)や牡蛎殻から形成された石灰岩地層(1500万年前)があり,町の背後にはスダジイ・アカガシ群落(県指定天然記念物)の常隆寺山(標高515m)を中心とした津名丘陵が横たわっています。