令和元年度(2019年度)の公開臨海実習Aコースが実施されました。実習では,スノーケリングによる海藻採集,海藻の押し葉標本作製,海藻の組織観察,ポリメラーゼ連鎖反応−制限酵素断片長多型(PCR-RFLP)法による緑藻アオサ類の同定,薄層クロマトグラフィーによる光合成色素の解析,調査実習船を使っての海洋実習,プランクトン観察,蛍光顕微鏡を用いた海藻の核と葉緑体DNAの観察などを行いました。
海藻の多様性,生態系における藻場の構成や役割などについて学びました。
マリンサイトの目の前に位置する田ノ代海岸でスノーケリングと海藻採集を行いました。
採集した海藻を同定後,押し葉標本を作製しました。合計33種類の海藻標本を作製しました。
緑藻アオサ類を対象として,PCR-RFLP法による種同定を実施しました。DNA抽出,PCR法による核リボソームRNA遺伝子のITS(Internal transcribed spacer)領域の増幅,電気泳動による増幅の確認,制限酵素処理と切断パターンの確認を行い,切断パターンの違いを基に,2種類のアオサを同定しました。
緑藻アオサ,ミル,褐藻アミジグサ類,カジメ,紅藻ファルケンベルギア(カギケノリの胞子体)のプレパラートを作製し,顕微鏡で体構造や生殖器官,遊泳する生殖細胞(遊走子など)を観察しました。
緑藻,褐藻,紅藻類などの光合成色素を抽出し,薄層クロマトグラフィーにより同定しました。
調査実習船「おのころ」に乗船し,神戸港と淡路島江崎沖で海洋実習を行いました。実習では,多成分水質計を用いた溶存酸素,クロロフィル量,濁度,pH,電気伝導度などの各種水質項目の計測,プランクトンネットを用いたプランクトン採集を行いました。
採集したプランクトンを顕微鏡で観察,同定しました。
褐藻シオミドロ属の1種の細胞を蛍光顕微鏡で観察し,葉緑体の観察を行うと共にDAPI染色により葉緑体DNAの分布を観察しました。。
<文責:鈴木>