私たちの研究室のイチオシ

★うちの研究室で今一番力を入れていること

私たちの粒子ビーム工学研究室がめざすのは、高エナジー粒子を使って、新しい機能性材料を創ったり、それらを分析したり、高エナジー粒子自身の新しい応用を見つけることです。

(注)
・粒子ビーム:エナジーと進行方向の揃った粒子の集団。
・エナジー:エネルギーのこと(物珍しさを醸し出そうと工夫している。但し、英語energyの発音はエナジーに近い)。
・高エナジー粒子:エナジーの高い分子、原子、原子核や、電子、光子のこと。つまりは放射線。エナジーが高ければそれが入射した物質に対して仕事をできるということ。その仕事の内容、質と量が問題。
・光子:光の粒子。変な話ですが、光は電磁波であると共に粒子でもあるんですよね?!。エナジーが高いほど粒子の性質が顕著になってきます。

@金や酸化カルシウムを表面に薄く(0.1ミクロン程度)つけたパラジウムに、重水素を詰め込んで、重水素分子イオンビームを注入すると、重水素原子核どうしの核融合反応が予想の約10倍の頻度で観測されました。これが事実だとすれば、・・・

(注)
・重水素:水素の姉妹で、自然界の水素に0.015%混じっています。海水中の重水素を核融合の燃料として発電すると、地球の年令と同程度の年数にわたってエナジー供給できるという計算になります。
・核融合:二つ以上の原子核が合体してより重い原子核になる反応。現在“原発”で利用されているウランの核分裂反応より放射性廃棄物が少なく、環境にやさしい。核融合発電の研究が国際規模で進められています。

A高分子フィルムが高エナジー粒子の照射を受けると、多量の水素原子が放出され、化学的に活性なトラック(飛跡)が残ります。トラック中では炭素ラジカルやC=C結合の生成、そして架橋反応などが起こっています。これを利用して・・・

(注)
・ラジカル:原子中の電子は他の原子の電子と対になって分子を作る傾向がありますが、相手のいない独身電子をもつ原子がラジカル。

B海洋微生物の中には重金属を含む有害汚染物質を平気で取り込むものがあり、有害汚染物質の回収に有用である可能性があります。加速器分析を利用してこれらの動的挙動を研究しています。

(注)
・加速器分析:加速器で加速した高エナジーイオンを利用して、物質中にどんな元素がどんな分布で存在しているかを調べる手法。
・加速器:原子から電子を剥ぎ取りイオンにして電場で加速する。ウチのは170万ボルトのタンデムペレトロン。

これらに力をいれています。
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★私たちの研究のココが面白い!
環境にやさしいエナジーとして可能性を秘めた極めて魅力的な核融合を、何とか原子炉として実現したいと思う情熱をもつ者が集まっています。そして実験室で目の前にくりひろげられるのは、初めて勉強した時その奇抜さにあっけにとられた量子力学や相対性理論の世界です。「科学は感動だ」


★研究室への道
光子、電子、原子、分子、そして原子核について理解することが不可欠です。そのためには数学が必須の道具となります
★求められるもの
@“何故?”と思う好奇心 A論理的な思考力 B徹夜運転(加速器の)できる体力