Intensive course in 2025
5/28(水) 2-4限
5/29(木) 4限
5/30(金) 2-4限
5/29(金) 5限 談話会
Date |
Lecturer |
Title ( Abstract : Click the title ) |
5/28 (Wed.) - 5/30 (Fri.) |
仏坂 健太
(RESCEU)
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突発天体からの重力波およびそれに付随する電磁波対応天体
コンパクト連星合体に伴う重⼒波イベントの重力波の性質や電磁波対応天体について理解し、その基礎的な物理過程と観測的特徴を把握する。中性子星合体に付随するキロノバ、シンクロトロン残光、ガンマ線バーストなどの現象を通じて、重⼒波天⽂学と電磁波観測、元素の起源、高エネルギー宇宙物理学の関連性を学ぶ。また連星ブラックホール合体の統計的性質からそれらの起源と大質量星の進化との関連性についても学ぶ。
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Seminars in 2025
Every Wednesday at 3pm in X304.
Date |
Speaker |
Title ( Abstract : Click the title ) |
4/9(Wed.) |
川平 将志
(神戸大学)
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No global symmetry argument and quantum symmetry
超弦理論をはじめとする量子重力理論では「大域的対称性は存在しない」と予想
されている.もちろん我々の世界に大域的対称性はありふれているが,この予想
に従うと,量子重力スケールでの対称性は全てゲージ化されていると考えられて
いる.
一方,近年の場の量子論の研究の進展により,一般に離散的な大域的対称性をゲ
ージ化することで,別の新たな大域的対称性が生じてしまうことが発見された.
これを「量子対称性」という.
本発表では,「大域的対称性は存在しない」という事実と「量子対称性」の存在
を組み合わせることで,タイプⅡB超弦理論のブレーンの性質が解析できることを
説明する.また,この解析による低エネルギー有効理論への制限についても議論
したい.
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4/16(Wed.) |
郭 優佳
(神戸大学)
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Sudden Decoherence by Resonant Particle Excitation for Testing Gravity-Induced Entanglement
量子重力理論はまだ解明されておらず、その大きな要因の一つとして、実験事実が不足して
いる点が挙げられる。量子重力の解明に向けて、2017年にBose、Marletto、Vederalら
は「ニュートン重力を介して、質量間に量子もつれは生成されるか?」という問いを検証す
るための実験提案を行い、比較的低いエネルギー領域において重力の量子的性質を探る試み
として注目を集めている。
本講演では、重力を介した量子もつれ生成に対して高い感度を持
つ観測量について考える。具体的には、浅いポテンシャルに閉じ込められた粒子と、2つの異
なる固有振動数の重ね合わせ状態にある調和振動子との間に働くニュートン重力相互作用を仮
定する。この系において励起された粒子が検出されると、重力を介した量子もつれ生成に伴っ
て、調和振動子が急激なデコヒーレンスを起こすことを明らかにする。さらに、具体的な実験
系を想定して、観測可能性についても議論する。
本講演は藤田智弘氏、松村央氏との共同研究で、arXiv:2501.18147に基づく。
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4/23(Wed.) |
Robert Brandenberger
(McGill University)
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Emergent Metric Spacetime and Early Universe Cosmology from the BFSS Matrix Model
To understand the evolution of the very early universe it is necessary to go
beyond an effective field theory framework. I will discuss ongoing work in
which we start with the BFSS matrix model, a proposed non-perturbative definition
of superstring theory, and show how an emergent metric spacetime may emerge from
the model. In the resulting cosmological scenario, thermal fluctuations of the
matrix model yield scale-invariant cosmological perturbations and gravitational waves.
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5/7(Wed.) |
清水 慧人
(京都大学)
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漸近対称性から見た3次元QEDにおける閉じ込め現象
近年、ゲージ理論や重力理論の低エネルギー領域が漸近対称性と呼ばれる物理的な対称性を用いて精力的に調べられている。その進展にも関わらず、閉じ込め現象と漸近対称性の関係を論じた研究はほとんどない。本発表では3次元時空における量子電磁気学(QED)を例に取ってこの関係を調べ、閉じ込めが起きているという仮定の下では漸近対称性の状態への作用は自明になるということを示す。本発表はarXiv:2503.20173に基づく。
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5/14(Wed.) |
小谷野 由紀
(神戸大学 人間発達環境学)
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自発運動の数理
初等力学ではポテンシャル力を受けて動く力学的エネルギーが保存する運動や摩擦などによって力学的エネルギーが現象する運動が議論される。一方で、細胞や人間・自動車など身近にみられる運動は安定なエネルギー供給の下でエネルギーを消費することで実現している。システムによって駆動原理は様々であるが、自発運動を物理の観点から統一的に捉えることはできるだろうか?本発表では樟脳を水に浮かべた自発運動系を例にとり、対称性のある自己駆動系においてどのように自発運動が発現するのか、その定性的な描像と数理的な背景を紹介する。また、自己駆動素子同士の間にはたらく相互作用が運動状態にもたらす影響についても議論する。
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5/22(Thu.) 15:10~18:00 (Y103) |
川平 将志
(神戸大学)
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一般化対称性入門
大域的対称性は重要である.例えばQCDを例に挙げると,フレーバー対称性によ
って,ハドロンスペクトラムの一部をうまく説明することができる.またその't
Hooftアノマリーを求めれば,低エネルギー有効理論に厳密な制限を与えること
ができる.以上のような手法は,摂動論が破綻してしまう強結合の物理学におい
て大いに活躍してきた.近年,hep-th分野において従来の対称性を拡張した「一
般化対称性」という概念が提案された.これを利用することで,従来の適用範囲
を超えて,場の量子論のスペクトラムや低エネルギー有効理論に制限を与えるこ
とが可能となった.
本発表では,一般化対称性を導入したのち,幾つかの応用例について紹介する.
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6/4(Wed.) |
伊藤 飛鳥
(神戸大学)
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TBA
TBA
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6/11(Wed.) |
Eric Madge
(U. Autonoma, Madrid)
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Probing ultralight dark matter with molecular and nuclear clocks
TBA
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6/18(Wed.) |
神野 隆介
(神戸大学)
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TBA
TBA
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arXiv Club
Every weekday at 12:30~13:00pm in Common room.
astro-ph, hep-ph, gr-qc, hep-thのarXivの最新投稿を大型液晶モニターに映して皆で議論します。
議論の厳密性は過度に求めず、誰でも参加を歓迎しています。
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