研究内容

 

心臓神経堤細胞の分化運命決定機構

神経堤細胞は脊椎動物にのみ見られる、多分化能と移動能を合わせ持つ細胞集団です。神経堤細胞は神経管が形成される際に、表皮外胚葉と神経堤外胚葉の境界領域から生じ、胚内の決まった経路を通って移動してゆきます。これらは末梢神経、頭部の軟骨、色素細胞、結合組織といった多様な細胞種へと分化します。神経堤細胞の一つである心臓神経堤細胞は心臓形成に重要な役割を果たしています。その細胞の分化運命決定機構を明らかにするため、ニワトリ胚を用いて心臓神経堤細胞特異的な遺伝子の同定とその制御機構について解析を進めています。

神経堤細胞研究のモデル動物ニワトリ胚(Gallus gallus)

 

神経堤細胞のひとつである心臓神経堤細胞は、耳胞から第3体節の間の神経堤から生み出される。
その後第3、4、6咽頭弓を通って移動し、胸腺・甲状腺・副甲状腺の結合組織や大動脈壁、大動脈肺動脈中隔を形成する。

 


A. ホールマウント胚における神経堤細胞マーカー遺伝子sox10の発現様式
B. 神経堤細胞マーカーHNK-1抗体を用いた免疫染色(切片)
C. エレクトロポレーション法による生きたニワトリ胚内でGFP標識した神経堤細胞