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テラヘルツ分子化学研究部門

佐藤研究室

当研究室では、赤外、ラマン、テラヘルツ分光法とX線回折、熱量分析を併せ用いて、高分子の結晶構造中の分子間相互作用、熱的挙動、結晶構造形成機構、劣化評価等に関する基礎的な研究を行っています。特に、高分子化合物の結晶構造中に存在する水素結合が果たす役割に注目しています。この分子鎖を結ぶ水素結合は、結晶構造の安定化や結晶構造形成過程において重要な役割を担っており、高融点、高強度などの高分子の物性に関係しています。我々は種々の高分子化合物の構造・物性に関する基礎的な研究を行い、物性改良や新規材料開発に献したいと考えています。

主な研究テーマとしては、以下の通りです。

テラヘルツ分光法による高分子化合物の分子間相互作用の研究

  • テラヘルツ領域における高分子化合物の吸収スペクトルには、水素結合などに起因する分子間振動が観測されます。この高分子化合物の高次構造を反映するテラヘルツ分光を用いて、高分子材料の結晶構造中に存在する水素結合を直接捉えることができ、また結晶化過程においてラメラ結晶がどのように形成されていくかを調べています。

テラヘルツイメージング分光による高分子材料の劣化の可視化

  • 本研究では、高分子の高次構造を反映するテラヘルツイメージング測定により、非破壊・非接触で高分子材料中の成分間の相互作用や分散性、結晶化度の分布、樹脂流れや配向などの情報を可視化することを試みています。劣化のようなマクロな物性変化と分子間相互作用や分子構造のようなミクロな分子構造変化を結び付ける非破壊測定法は従来になく、テラヘルツイメージング分光を用いた高分子材料の構造・物性評価への応用は本研究が世界に先駆けたものです。これにより、近年ますます多様な特性や機能を要求される高分子材料において物性発現の機構を理解し、物性改良や新規材料開発に大きく貢献することが期待されます。
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