神戸周辺の海藻分布 | |||||
それでは現在神戸の周辺ではどのくらいの種類の海藻類が生育しているのでしょうか.図aは最近10年程度の間に集められた資料(採集された海藻類の標本,さまざまな場所で行われた生態調査の報告など)に基づいて,大阪湾内の各地点に分布する大型海藻類の種類数(緑藻,褐藻,紅藻)のおおよその現況を示したものです(ただし,芦屋から淀川河口を経て岸和田に至る沿岸は解析に含めていません).地形的には舞子から泉佐野に至る海岸はほぼ全域が埋め立て地で,自然海岸(汀線が人工的に改変されていない海岸)はほとんどありませんが,大阪府の南部から和歌山県にかけてと淡路島の沿岸にはかなり自然,または半自然の海岸が残っています.また海水の透明度についてみると,明石海峡と紀淡海峡の湾の入り口付近を含む湾の西側で透明度が比較的高く,湾奥部へ入るほど低いことがわかります(図b).海藻類の出現種数はこれらの環境条件を良く反映して,海水の透明度が良好で,また浅場が多く多様な地形が残っている淡路島の沿岸や大阪府の最南部では100種をこえる海藻が生育していますが,湾奥部へ入るほど減少しています. | |||||
各調査地点における海藻類の全出現種数