海藻類の観察と標本作り

 ほとんどの海藻類は岩の上に生活しており,また水の動きを利用して酸素や栄養分のやりとりをしていることから,ある程度波あたりのよい岩場にたくさんの海藻が生えています.また,浅いところの方が光合成のための光を得やすいことから,潮間帯(潮汐によって海水面 が下がったときに空気中にでる部分)には特に多様な海藻類が生育しています.

 このため海藻類の観察・採集は潮汐を利用して潮が引いたとき(干潮時)に潮間帯やタイドプール(潮だまり)で行うのが一般 的です.潮汐は普通1日に2回ありますが,どの時間にどの程度潮が引くかは日によって異なります.ふつう満月か新月の翌日か2日後くらいが最も干満の差が大きくなり(大潮),特に4月頃にその差が大きく(春の大潮),神戸周辺ではその差は約1.5 m です.  夏には海水浴をかねて,泳いで観察や採集をすることもできます.潜水はしなくとも水中めがねとスノーケルを使って水の中をのぞいてみるとといろんな海藻の生きた姿を観察できます.ただし,岩場で泳ぐ時は危険がいっぱいですから,ウェットスーツを着るなど十分な注意が必要です.

 また,多くの有用な海藻類は漁業の対象であり,漁業権で一般の人の採集は禁止されています.むやみに採集しないように気をつけましょう.

     

スノーケリングによる 観察と採集

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