公開臨海実習Aコース(平成29年度)


実習日:平成29年8月21~25日
参加者:7名(山口大学、宮崎大学、近畿大学、岐阜聖徳学園大学、東洋大学)

平成29年度の公開臨海実習Aコースが実施されました。実習では,スノーケリングによる海藻採集,海藻の押し葉標本作製,海藻の組織観察,ポリメラーゼ連鎖反応−制限酵素断片長多型(PCR-RFLP)法による緑藻アオサ類の同定,薄層クロマトグラフィーによる光合成色素の解析,調査実習船を使っての海洋実習,プランクトン観察,蛍光顕微鏡を用いた海藻の核と葉緑体DNAの観察などを実施しました。



【PCR-RFLP法の実験】

緑藻アオサ類を対象として,PCR-RFLP法による種同定を実施しました。DNA抽出,PCR法による核リボソームRNA遺伝子のITS(Internal transcribed spacer)領域の増幅,電気泳動による増幅の確認,制限酵素処理と切断パターンの確認を行い,切断パターンの違いを基に,2種類のアオサを同定しました。



【スノーケリングによる海藻採集】

淡路島南東部に位置する洲本市由良の海岸でスノーケリングと海藻採集を行いました。


【海藻の押し葉標本作製】

採集した海藻を同定後,押し葉標本を作製しました。合計31種類の海藻標本を作製しました。


【海藻についての講義】

海藻の多様性,生態系における藻場の構成や役割などについて学びました。


【海藻の光合成色素分析】

緑藻,褐藻,紅藻類の光合成色素を抽出し,薄層クロマトグラフィーにより同定しました。


【調査実習船による海洋実習】

調査実習船「おのころ」に乗船し,淡路市大磯沖で海洋実習を行いました。実習では,水色計を用いた海色の記録,透明度板を用いた透明度の計測,多成分水質計と野外用pH/電気伝導度計を用いた溶存酸素,クロロフィル量,濁度,pH,電気伝導度などの各種水質項目の計測,プランクトンネットを用いたプランクトン採集を行いました。


【プランクトンの観察】

採集したプランクトンを顕微鏡で観察,同定しました。


【海藻のDAPI染色】

褐藻シオミドロ属の1種とシアノバクテリア(ラン藻)リングビア属の1種の細胞を蛍光顕微鏡で観察し,葉緑体の観察を行うと共にDAPI染色によりDNAの局在を観察しました。


<文責:鈴木>