研究内容
 近年、有機物のもつ柔軟性や優れた成膜性、分子設計の多様性などの利点に着目して、有機電子デバイスに 関する研究が盛んに行われている。光・電子機能を有するπ電子共役系材料の諸物性は、個々の分子が秩序を 持って積み重なることで発現するため膜中の分子配列制御は、有機デバイスの飛躍的な性能向上へとつながる。 本研究グループでは、@分子配列制御膜の創成、A異方性有機薄膜デバイスの創成、B有機分子による 新規薄膜メモリ・センサー技術の創成を主テーマとして研究・開発にあたっている。



テーマ1:分子配列制御膜の創成
 有機化合物素子の特性は、膜中(膜厚1ミクロン以下)の分子配列制御に大きく依存しており、素子特性は 膜中の分子配列と配列制御法の確立が緊急の課題とされている。本研究グループでは、真空蒸着法、 Langumuir-Blodgett(LB)法、摩擦転写法などにより分子配列制御した有機薄膜を作成し、その光学および 電子特性の異方性の解明とデバイス応用をめざしている。

fig1

Fig.分子配列制御されたペリレン蒸着膜


テーマ2:異方性有機薄膜デバイスの創成
 有機分子の持つ異方的性質を最大限に生かしたデバイスの創成をめざし、機能性色素や液晶分子の配列制御 有機薄膜を用いた偏光発光素子や電界効果型有機トランジスター(有機FET)を作成している。その光・電子 あるいは電気特性と配向構造の関係を明らかにすることにより高性能化をめざしている。


fig2

Fig.一次元配向膜による偏光LEDデバイスの創成


テーマ3:有機分子による新規薄膜メモリ・センサー技術の創成
 1つの分子中に複数のフォトクロミック部位を導入した新規化合物による多重記録媒体の創成とマルチアドレス システムの構築、有機強誘電体薄膜を用いたフレキシブル基板上への赤外センサーを形成など、有機分子による 新規薄膜メモリ・センサー技術の創成をめざしている。

fig3


Fig.フィルム上に形成した赤外センサー