過渡強制対流実験装置
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環境問題が深刻化してきた昨今,高温のヘリウムガスを利用した高効率発電システムや
二酸化炭素の排出を伴わない水素製造などのクリーンなエネルギー供給源として,
高温ガス炉の利用が期待されています。
高温ガス炉は,1000℃程度の高温の熱を供給でき,高い熱効率および熱利用率の達成を可能にします。
また高温ガス炉は優れた固有の安定性を持ち,運転の容易性,燃料の燃焼度が高いなどの特徴を有しています。
しかし,高温ガス炉の開発には,解決されるべき問題がまだ数多く残されており,
さらなる基礎的研究の蓄積が望まれています。
非定常強制対流熱伝達過程の解明は,高温ガス炉の開発への応用など,工学的に重要な課題ですが,
研究例は少なく,たとえばガス冷却原子炉反応度事故の場合のように,気流中の発熱体発熱率が指数関数状に
上昇するときの熱伝達過程を扱った研究はほとんどありません。
そこで,本実験装置を用い,この問題を解明することを目的に,種々の気体(ヘリウム,アルゴン,
窒素および空気)中で試験発熱体への熱入力を種々の速さで指数関数状に増加させた場合の
過渡自然対流熱伝達および過渡強制対流熱伝達について実験的に調べます。