講義・セミナー
特別講義のお知らせ(理学研究科)
特別講義「現代の生物学」
日 時 : | 2021年11月12日(金) 午後 1時20分〜 |
場 所 : | オンライン(Zoom) |
講 師 : | 大崎 雄樹 博士(札幌医科大学・医学部) |
演 題 : | 脂肪滴はただのアブラではない |
授業のテーマ
脂肪滴とは、あなたのお腹のブヨブヨ、つまり皮下や内臓の脂肪組織中の脂肪細胞や、脂肪肝の肝細胞内に浮かぶ油滴です。脂肪滴は長年に渡り、余分な脂肪酸とコレステロールをトリグリセリドとコレステロールエステルとして蓄え、必要に応じて分解しエネルギーに代える、いわばラクダのコブの役割が唯一の機能と考えられ、組織学や生物学の教科書ではいまだに封入体(ゴミ)の一つとして挙げられています。しかし近年脂肪滴は、蛋白質分解、ウイルス・病原体増殖、遺伝性神経変性疾患など多数の生理的機能や疾患への関与が明らかになってきました。脂肪滴がヒトや多くの生物種で重要な機能を果たすオルガネラの一つであることを紹介します。