設立趣旨

圧電材料は高い電気機械変換効率を有する機能性材料であり,これを各種マイクロデバイスと融合した圧電MEMSは,従来のMEMSデバイスの特性を超える新しい機能性マイクロデバイスとして注目されている.圧電MEMS技術は,圧電材料に関する材料・加工技術,薄膜化および各種特性の測定・評価技術に加え,デバイス設計,微細加工技術,更にシステム化に至る幅広い要素技術を基礎とした融合領域に属している.これら関連する技術を体系的に理解することにより,新しい圧電マイクロデバイスの研究開発が可能となる.
現在,圧電MEMS分野は日本が世界をリードする重要な成長技術分野であり,これまで基礎的研究から応用製品の実用化に関する活動を世界に先駆けて主導してきた.しかしながら,圧電MEMS技術に携わる研究者,技術者が必要な情報を交換し,更にその技術を向上・発展させるための交流の場がなく,現在においてもなお個々の研究機関および企業が個別に活動する域を脱し得ていないのが現状である.一方,海外では特に欧米を中心に圧電MEMSに対する関心が高まりを見せており,各種大型プロジェクトによる組織的な研究開発が推進されており,またアジア諸国においても産官学が連携した研究開発が大規模に進められている.
この様な背景のもと,国内における技術を発展させ,更にグローバルな展開を促進することにより,特に産業分野への貢献と新しいイノベーションの創出を目的として,圧電MEMSに関連する研究者,技術者の交流の場を積極的に提供する組織として「圧電MEMS研究会」を設立する.

附記
「圧電MEMS研究会」は,平成19年に設立された「圧電マイクロデバイス研究会」に由来し,本技術分野の更なる発展と交流促進,およびグローバル展開を視野に入れた組織として新たに設立する組織である.