量子エネルギー学 授業情報

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授業科目名
(英語表記)
量子エネルギー学
(Introductory Quantum Energetics)
担当教員名 北村 晃
科目区分 専門科目 開講時期 3年・後期
(木曜日3時限)
授業方法 講義
(2303教室)
単位数 選択・2
授業のテーマと目標
現代科学技術は、量子(光子、電子、原子、分子、そして原子核)の性質の理解と応用に基づいている。特に、エナジー工学、放射線応用工学の立場からは、これらの粒子が高エナジーになった放射線の性質を正しく理解することが必要不可欠である。高エナジー粒子の発生原理とその物質中での振る舞いを学び、その様なミクロの粒子を正しく理解する上で量子力学の適用が必要不可欠であることを学ぶ。
学生へのメッセージ
自然現象が数学的に如何にエレガントに記述され得るかという感動を味わってもらいたい。そして式の導出を自ら確かめ、教科書の行間を読む態度を培ってもらいたい。

08年度リポート課題
1O/ 4; 配布資料 問2-1
1O/11; 配布資料 問2-3
1O/18; 配布資料 問3-1(参考:教科書演習問題6-1)
1O/25; 教科書演習問題3-1,4,6の変形(g(学籍番号下2桁)に応じて問題を変えているので注意)
 [問題3-1]z=gで存在比最大の同位元素について、原子質量、質量欠損、核子当たり結合エナジーを求めよ。  [問題3-6]z=gで存在比最大の同位元素について、比質量偏差をMeV単位で求めよ。  [問題3-4]3の質量公式を使ってA=2g+9の同重体のうち最も安定な原子核を探し、下記データと照合せよ。      http://ie.lbl.gov/education/isotopes.htm 11/1 再提出課題; 教科書演習問題3-4,6の変形  [問題3-6] 質量偏差P=W-A[u]; 比質量偏差=P/A       (data book等には質量の代わりに質量偏差がMeV単位で載っている場合がある)  [問題3-4] 当該質量数の同重体質量を下記WEBpageで調べ、求めた原子が最も軽い(=安定である)ことを確かめよ。      http://ie.lbl.gov/toi2003/MassSearch.asp  なお、Weizsaecker-Betheの式の正しい形は下記のとおり。各項には物理的意味があることを後に学ぶ。  M(A,Z)= 0.991955・A -0.000840・Z +0.018500・A^(2/3) +0.10000・(A/2-Z)^2/A +0.000750・Z^2/A^(1/3) +δ(A,Z) [u] 11/1 新規課題; 教科書演習問題4-4,6の変形(g(学籍番号下2桁)等に応じて問題を変えているので注意)  [問題4-4] Z=gの元素のうち任意の放射性同位元素について、その1グラムの放射能と       時刻t=T(1/2), 2T(1/2), 3T(1/2), 4T(1/2)における質量、及び放射能を求めよ。  [問題4-6] 自分が所有している40Kの原子数と放射能を求めよ。
11/8; 配布資料 問4-7-2(47番と93番は最初に戻る)
11/15,22; 配布資料 問4-8-4((6)で対象にする物質は原子番号Z=ng,又はZ=Int(g/m)のうち2元素、但しm,nは任意整数)
12/6; 配布資料 問4-9-1
12/13; 配布資料 問5-1-1 (「gx30時間後」を「gx10時間後」に修正)
12/20; 配布資料 問5-2-1 ((3)(4)において「gx3時間」を「g時間」に修正)
1/10; 配布資料 問5-4-1 (「500keV」を「(50xg)keV」に修正)
1/17; 配布資料 問5-6-2
1/24; 配布資料 問5-8-2 (「7.6MeV」を「g MeV」に修正)
1/31; 配布資料 問6-2-1
連絡事項
 "1環境Energy.pdf", "2核energy.pdf", "3加速器.pdf"
 "4_1-5RI放射平衡利用.pdf", "4_6-7放射線エナジー.pdf", "4_8-9物質との相互作用.pdf" 
 "5_1-4核反応.pdf", "5_5-7散乱反跳.pdf", "5_8Rutherford.pdf", "6核性質.pdf"

今迄の授業内容と今後の計画

第1回(10/ 4) 環境問題とエナジー 
第2回(10/11)「原子力」と「核融合」(核分裂反応、核融合反応) 
第3回(10/18) 高エナジー粒子はどうして発生する?−1.加速器;Van de Graaff, Cyclotron
第4回(10/25)   加速器;Linac, Synchrotron
         原子核の構造と性質、結合エナジー
第5回(11/ 1) 高エナジー粒子はどうして発生する?−2.放射性同位元素
         放射能とは?放射線とは?(壊変の法則)
第6回(11/ 8)   放射性崩壊/壊変(α崩壊、β崩壊、γ遷移)
第7a回(11/15)  自然界の放射線, 放射平衡
第7b回(11/22)  自然界の放射線, 放射平衡
第8回(12/6)   ガンマ線はどうして止める?(光電効果、コンプトン散乱、電子対生成)
第9回(12/13)  荷電粒子はどうして止める?
        RIはどうしてつくる?:飽和放射能
第10回(12/20) 高エナジー粒子はどうして発生する?−3.(原子核反応)
        核反応率はどうして決まる?―1. 断面積、中性子放射化反応
第11回(1/10)  核反応率はどうして決まる?―2. ビーム・ターゲット反応
第12回(1/17)  エナジーはどうして決まる?(反応Q値、核反応運動学)
第13回(1/24)  断面積がエナジーの関数!? (ラザフォード散乱断面積)
第14回(1/31) 原子核はどんな性質?
         原子核の大きさはどうして測定する?(β+崩壊、μ中間子原子)
第15回(2/7) 原子核の質量は?(Weizsaecker-Betheの質量公式)
         病院で見かける“MRI”って何?(原子核のスピン、磁気モーメント)
試験(2/21)
 
成績評価方法
課題リポート、定期試験などの成績を総合的に評価する。
教科書・参考書
【教科書】「放射線物理学」飯田博美(通商産業研究社) 
【参考書】「放射線概論」石川友清(通商産業研究社) 
     「原子工学の基礎」成田正邦・小澤保知(現代工学社) 
     「原子核物理」影山誠三郎(朝倉書店) 
     「原子物理概論」久武和夫・岡田利弘(朝倉書店)
履修上の注意
演習問題をなるべく多く解いてみることが、理解のために重要であるが、限られた授業時間であるので、課題、リポ−ト提出により補う。
オフィスアワー・研究室
講義日随時・3号館208号室

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