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センターの強み、特色

神戸大学では、光と分子の相互作用に関する研究分野である、分子フォトサイエンスの分野で優れた研究成果を上げてきており、分子フォトサイエンス研究センターは平成13年度に学内共同教育研究施設として設置された。専任部門として、極狭線幅光科学研究部門、極短パルス光科学研究部門、量子光科学研究部門を設置した。平成17年度には、研究分野を拡張するため、極狭線幅光科学研究部門をレーザー分子光科学研究部門に改組し、レーザー光の特徴を活かした光分子科学を展開してきた。本センターでは、光分子科学の世界的な研究拠点として機能することを目指しており、海外研究者の招へい等による国際交流の推進、国際的な学術集会の開催等を行ってきた。また、自己評価、および広報活動の一環として、Annual Reviewを毎年発行している。
 平成19年度の自然科学研究科改組に伴い、自然科学系先端融合研究環分子フォトサイエンス研究センターとなり、平成28年度の自然科学系先端融合研究環の改組に伴い、基幹研究推進組織として、分子フォトサイエンス研究センターとなった。本センターはテラヘルツ波を用いた分子科学研究で強みを持つ。本センターでは、テラヘルツ波を用いた液体や生体関連分子の研究と固体物性研究を独自に行ってきており、さらに、人間発達環境学研究科、及び理学研究科においても、テラヘルツ帯に関する分子科学研究を行っている。そこで、平成29年1月に、本センターのテラヘルツ波を用いた分子科学研究をさらに強化し、本センターがテラヘルツ分子科学研究の国際的研究拠点となり、神戸大学の機能強化に資するよう、改組を行った。神戸大学でテラヘルツ帯の分子科学研究を行っている教員等も、本センターの様々な研究活動に参画できるよう組織整備を行った。令和4年度からは光科学技術の異分野への波及を目指し、配置教員を増員するなど対象とする研究分野の拡張を行っている。
 平成29年度より、公募型共同利用・共同研究事業「テラヘルツ分子科学に関する共同研究拠点(仮称)整備」を開始した。テラヘルツ波は、光と電波の中間に位置し、光の直進性と電波の透過性等、他の電磁波にはない特性を備えている。そのため、現在、その産業応用が大いに期待されており、非破壊検査や分光分析等、様々な分野での応用が提案されている。今後、テラヘルツ波を用いた科学技術の産業応用をさらに推進するためには、基盤的な基礎研究が不可欠である。本研究センターは、テラヘルツ分子科学分野における研究拠点となることにより、我国のテラヘルツ分子科学をけん引する。
 平成3年度からは、学内、学外の研究施設とのさらなる連携強化として、福井大学遠赤外領域開発研究センター、徳島大学ポストLEDフォトニクス研究所、神戸大学バイオシグナル総合研究センターと協力し、広帯域極限電磁波生命理工連携研究会を開始し、マイクロ波から紫外にわたる広い帯域における電磁波応用技術の、特に生命医学系への応用を視野に入れた研究交流活動を開始した。また、令和4年度からは、学内に設置されたカーボンニュートラル推進本部と、本研究センターが「光エネルギー変換」の分野で連携を開始し、研究会の共同開催等を行っている。