神戸大学大学院 システム情報学研究科 システム制御研究室

Research

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はじめに

~Message~

 CS11研究室では、複雑な環境変化に適応しながら、たくましく生きる生物の知的な情報処理機能と柔軟な運動制御機能を模倣し、解析することで、知能ロボットによる実現や介護支援作業・リハビリテーションなどのデジタルヘルスにおける応用を目指して、①身体運動の計測・数理解析・シミュレーション、②知能ロボットシステム開発および③知的なヒューマンインタフェース構築など、幅広い研究活動を展開しています。 生物は、五感を頼りに脳神経系による知能創生と精緻な制御でその置かれている環境と動的な相互作用を行い、高度な知能と巧みな行動機能が創発されています.また目的の作業の実現を通して環境適応かつ多様性に富んだ知性と運動機能を発達させることもできます。

 本研究室では、こうした生物の環境適応能力に着目し、構成論的に知能ロボットシステムの開発や最新の機械学習、感情計算などのデータサイエンスと人工知能の融合研究を通して、情報とは何か?知性とは何か?生命とは何か?を探り、次世代のヒトに優しい知的人工システムを実現することを夢見ています。 本研究室で活躍する学生諸君に対して、各自の卒論・修論・博論研究だけでなく、互いに自由に交流し、協調し合うことでCS11とともに成長し、国際学術舞台で活躍することを期待しています。

 皆さんの若い頭脳と情熱で創るCS11

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研究内容の紹介

介護支援用ロボットの開発

 超少子高齢化社会における介護・リハビリテーション作業を支援するロボットの研究開発を進めています。こうした人間と直接に触れ合いながら身体運動を安全かつ円滑に支援できるためには、ロボットに対して高度な環境適応制御機能が要求されます。また、介護者や要介護者の動作意欲や機能の老化などの特徴も深く配慮して、「動かす」のではなく、「促す」ことがキーとなります。

両手協調作動作機能のリハビリ用ロボット

 脳卒中患者の多くは上肢機能に障害をもち、特に上肢の片麻痺はよくみられます。これまでに開発されているリハビリ用ロボットは患肢の機能回復のみに重点が置かれいましたが、 日常動作の多くを占める両手協調運動機能を回復させるには、腱肢を含めた両手による様々な作業を行えるシステムが必要と考えられます。こういった観点から、本研究室では動力学シミュレーション技術をロボットの力制御技術と組み合わせて、被験者にはゲーム感覚で両手の協調を  実現するロボットの研究開発を行っています。

ブレン・マシンインタフェースに関する研究

近赤外光分光法(NIRS)という脳活動計測装置や脳波計、心電計を活用して、ブレインコンピューターインターフェース(BCI)の開発を行っています.BCIとは頭で考えたことを、生体信号を計測し、人工知能技術で識別することで直接にロボットを制御する技術のことで,次世代のリハビリやヒューマン・マシンのインタラクションにとって世界で熱く注目されている技術であり、本研究室では感情判別や意思推定まで研究を展開しています。右の動画は誘発脳波の識別による食事支援システムの動作を示しています。

日常生活における高次脳機能評価システムの開発

 日常生活における各種動作の計画、記憶と遂行に関わる脳の高次機能をより定量的に評価・訓練するためのバーチャルリアリティー(VR)システムを構築しています。具体的には、商店街での買い物に関する日常生活を考慮に入れて、仮想な商店街で必要な買い物タスクに応じて迅速かつ正しく関係する店、商品を購入できているかどうかで、高次脳機能の定量評価を行っています。

日常生活空間における半側空間無視機能の評価

 脳卒中などの後遺症として、視野の半分について本人は注意しないという半側空間無視症状があり、日常生活における安心安全にとって極めて困難となります。本研究では、拡張現実技術を開発することで、被験者に自分の行動変化に合わせて仮想的な生活環境内で各種の状況変化を作り出し、本人がどのように注意しているかを評価できるようにしています。

感情を有する日本語対話生成の研究開発

 本研究では感情を有する対話文を生成する手法を提案しています。今まではSeq2Seqモデルなどを利用して、文法的、意味的に正しい文を生成できましたが、感情状態がうまく表現された文を生成できれば、一層人間らしさを感じとることができ、親しみやすくなり、円滑なコミュニケーションが図れるようになります。具体的に本研究では転移学習を利用し、同時に文章生成中に動的に感情状態を更新する感情メモリを利用することでより自然な感情表現のある会話を生成できました。

身体運動の実時間計測と動力学解析

 深層学習により、従来の高額な運動計測装置なしに一般的なカメラ情報から身体の関節運動情報を推定可能になってきております。本研究ではこうした機械学習手法で得られた身体運動の実時間計測を、全身動力学解析技術と統合することで、より利便性の高い身体運動解析が実現できました。これによって、リハビリテーションやスポーツへの応用が期待できます。

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