APPLMIC
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微生物機能化学研究室へようこそ!私たちは微生物のゲノム機能の解明と、その応用を専門とする研究室です. Laboratory of applied microbiology.
私たちはAPPLMICという愛称を掲げ、微生物学の応用開発を視野に向けたユニークな研究テーマに取り組んでいます。微生物の多様多種な物質変換能力は、
バイオテクノロジーの要と言えるでしょう。本研究室では、主に以下の分野を取り扱っています。
・有用な能力を持つ微生物と、その遺伝子の特徴や制御メカニズムを解明する基礎研究
・基礎研究を基に、微生物を利用した物質生産等の応用研究
最新技術と自由な発想で新しい応用微生物学の創生を目指します。イノベーションの可能性が、ここには秘められています。
PEOPLE

吉田 健一 教授
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研究内容:枯草菌を代表とするバチルス属細菌および種々の根粒菌のゲノム情報を基に、未知遺伝子の機能同定を通じて新規代謝経路や制御機構を解明し、
さらにその応用を手がけるという基礎から応用までを広くカバーする研究を展開しています。特に、バクテリア型イノシトール分解系の全貌解明と
その応用については、当該分野の第一人者として国際的に認知されています。有用希少イノシトール類の開発に関しては、自然科学系先端融合研究環
「ヘルスバイオサイエンス」チームに所属し,他の教育研究分野との連携に積極的に取り組んでいます。さらに、平成21年より、先端融合領域イノベーション
創出拠点形成プログラム「バイオプロダクション次世代農工連携拠点(iBioK)」のコアメンバーとして、農工連携ならびに産学連携を積極的に推進しています。
加えて、欧州微生物学会連合(FEMS) Ambassador*として、また本学Brussels事務所の所長として対欧州戦略の一翼を担っています。
*Federation of European Microbiological Societies (FEMS、欧州微生物学会連合)は、 1960年代に発足した歴史ある国際学術団体です。主として欧州および近隣地域における微生物学の発展を目指しています。 FEMSでは日欧EPAの発効を鑑み、今後倍旧の経済的また社会的な交流の活性化が見込まれることから、学術活動においても日欧の連携を深める 必要性があると判断し、吉田教授が日本初のFEMS Ambassadorに任命されました。* 2019年以降3年間の任期にて、日本国内で開催される微生物学関連学会等で、FEMSジャーナル、議会、ネットワーキングおよび教育活動に関して広告周知を図る活動を行います。
学歴 | 1987年 京都大学農学部農芸化学科卒業 1989年 京都大学大学院農学研究科農芸化学専攻博士前期課程修了 1990年 京都大学大学院農学研究科農芸化学専攻博士後期課程退学 1993年 京都大学博士(農学)学位取得 |
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職歴 | 1990年福山大学助手 1996-1997年 フランス国立農業研究所Jouy-en-Josas研究センター博士研究員 1999年 福山大学講師 2003年 福山大学助教授 2004年 神戸大学助教授 2005~2007年 文部科学省研究振興局学術調査官 2007年 神戸大学大学院准教授 2009年 神戸大学大学院教授 2010-2013年 神戸大学研究基盤センターRI部門長 2013年 神戸大学EU総合学術センター副センター長 2013年 神戸大学ブリュッセルオフィス副所長、2014年 同所長 |
所属学会 | 日本ゲノム微生物学会(庶務幹事)/日本農芸化学会(関西支部参与・全国代議員)/日本分子生物学会/日本生物工学会/植物微生物研究会/グラム陽性菌ゲノム機能会議/米国微生物学会(ASM) |

石川 周 准教授
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研究内容:枯草菌をつかって、細胞分裂、転写などの生育に必須な機能の分子メカニズムを研究してきました。その知見に基づき、
汎用的高効率バイオプロセス細胞の創製を目指しています。また、それに利用することを目指して、乳酸菌の加速進化機構の解明や、
メタゲノムから効率的に有用遺伝子を取得する方法の開発も行っています。
学歴 | 1994年 信州大学繊維学部応用生物科学科卒業 1996年 信州大学工学系研究科生物機能工学専攻博士前期課程修了 1999年 信州大学工学系研究科生物機能工学専攻博士後期課程修了 |
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職歴 | 1999-2001年 The Scripps Research Institute(スクリプス研究所、アメリカ)研究員 2001年 奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科日本学術振興会特別研究員 2001年 奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科助手 2011年 奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科助教 2016年 神戸大学大学院准教授 |
所属学会 | 日本ゲノム微生物学会/日本乳酸菌学会/グラム陽性菌ゲノム機能会議 |
教授 | 吉田 健一 |
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准教授 | 石川 周 |
研修生 | 吳宇箏 |
D2 | 近藤隆彦/北川絵里 (社会人) |
D1 | 山本 純也 |
M2 | 中辻 美咲/西村 凌/牧野 恒平/神田一将 |
M1 | 喜多 恭介/森 光太郎/四井崇博/張春嬈 |
B4 | 宇田佳乃/木戸遼太郎/木村瑞希/福井香帆/西岡健太郎 |
過去の卒業・退職メンバー
・2019年度
河端 穂奈美/倉本 夏歩/堀川 拓真/山田 拓明/Le Phuong Quynh/木田 優士/西口 智也/西田光希(休学)
・2018年度
田中耕生 (助教)/石田 篤志/宮野 恵/松本 明日香/八木 悠夏/Christophe Michon(研究員)
・2017年度
Kang Don-min/岡田 大/加藤 みずき/木下 翔也/夏目 文音/西畑 省吾/森下 智代/西川 祐資
・2016年度
白江 雄介/久世 純子(技術補佐員)
・2015年度
片本 康亮/辻 省吾/本窪田 章博/Sophia Karpenko(仏AgroParisTechより短期留学)/パラスト・マジディアン(INRAより滞在)
・2014年度
角 美有紀/田島 慎太郎/寺川 あやこ/山野 孝太郎/Thi Lan Thanh Bien/Daniel Reuss(独Gottingen大より技術補佐員)
Research
当研究室では、Bacillus subtilis及び他の菌が有するイノシトール代謝系の解明とその応用など、微生物のゲノム機能の解明を通じて有用物質生産を 目指す研究開発を行っています。私たちが取り組んでいる研究の一部をご紹介します。
●イノシトール類について
イノシトールはシクロヘキサンの6つの炭素それぞれに結合する水素基が一つずつ水酸基に置き換わった構造をしており、水酸基の立体配置の組み合わせによって9種類の立体異性体が存在します。 myo-inositol は、自然界に最も広く存在するイノシトールで、米ぬかなどから比較的安価に供給されます。他のイノシトール異性体は希少で高価ですが、 なかには有用な生理活性を示すものがあります。例えば、D-chiro-inositol やpinitol*はインスリン様作用を示し、血糖降下作用や多嚢胞性卵巣症候群のへの適応があります。 scyllo-inositol はβ-アミロイドの凝集を抑制する効果があるので、アルツハイマー病の治療薬として期待されています。*D-chiro-inositol の3番炭素のメトキシ体
●B. subtilisのイノシトール代謝系に関する基礎・応用研究
・枯草菌代謝工学による有用希少イノシトールの生産
・枯草菌におけるNADPH再生バランス機構の理解とその応用
・イノシトール脱水素酵素の機能改変
・機能未知iolH遺伝子の酵素学的・生理学的意義の解明
B. subtilisのイノシトール代謝経路を応用し、自然界から比較的安価に供給できるmyo-inositol から、アルツハイマー病への治療薬への効果が期待される希少価値の高い
scyllo-inositol への変換する代謝工学を行っています。また、それに付随して酸化還元に必要な補酵素の再生系の理解や、鍵酵素の補酵素認識機構、さらには生理的な機能が不明な関連遺伝子の解析など、
より深い細胞システムの理解を目指しています。
この研究は、iBioKならびにALCAの一環として実施されています。
An improved Bacillus subtilis cell factory for producing scyllo-inositol, a promising therapeutic agent for Alzheimer’s disease
●枯草菌による有用蛋白質の分泌とその応用
・人工セルロソーム呈示枯草菌細胞
セルロースやヘミセルロースは植物バイオマスの主要構成物で、強固な構造を持つ難分解性物質です。本研究室では、B. subtilisの膜表層に人工的にデザインしたセルロソーム(セルラーゼ複合体)を呈示し、 結晶性のセルロースを効率的に分解する枯草菌細胞の創出を目指してます。
・枯草菌フィターゼ分泌の高度効率化
フィチン酸は穀類や豆類の主要なリン酸の貯蔵形態として米ぬか等に多く含まれます。本研究室では未利用バイオマスである米ぬか中のフィチン酸のリン酸を切り出してmyo-inositol を生産するフィターゼの分泌生産の効率化を試みています。
●好熱性バチルスGeobacillus kaustophilusHTA426のイノシトール代謝に関わる研究
・G. kaustophilus HTA426におけるイノシトール代謝の生理的意義の解明
・G. kaustophilus HTA426の イノシトール分解系遺伝子群の発現調節に関わる研究
G. kaustophilus はB. subtilisと同様にして、myo-inositol を単一の炭素源として生育出来ます。しかし、これに関わる遺伝子機能とその調節機構については未だ完全に解明されていません。
G. kaustophilus がmyo-inositol を資化する際に用いる酵素を大腸菌に発現させ、酵素の特性解析を行う研究、また、myo-inositol 資化不能なG. kaustophilus 突然変異体を創出し、
次世代ゲノムシーケンサーでイノシトール代謝系の調節遺伝子の探索を行っています。加えて、G. kaustophilus をモノづくりに活かす挑戦を産学連携で進めています。
Three inositol dehydrogenases involved in utilization and interconversion of inositol stereoisomers in a thermophile, Geobacillus kaustophilus HTA426
●好熱性バチルスGeobacillus kaustophilusの効率的形質転換法の開発
G. kaustophilus は産業上有用な微生物でありながら、従来の形質転換法は低効率で遺伝操作も煩雑であるという欠点がありました。本研究室では、
接合伝達プラスミドpLS20catを用いて、G. kaustophilusを簡便かつ効率的に形質転換する方法を開発しました。
A novel method for transforming the thermophilic bacterium Geobacillus kaustophilus
●Bacillus.velzensis S141におけるダイズ根粒菌の共生窒素固定能力促進機構の解明
ダイズ根粒菌Bradyrhizobium diazoefficiensは、ダイズと特異的に共生関係を構築して、顕著に窒素固定を行うことが知られています。先行研究にて、 Bacillus.velzensis S141は、ダイズ根粒菌がダイズに感染して根粒形成および共生窒素固定を行う過程を増強し、ダイズの成長を促進する有用微生物として単離されました。本研究室では、その作用機序の解明を目指しています。
●ダイズ根粒菌のPHB合成
ダイズ根粒菌Bradyrhizobium diazoefficiensは細胞内にバイオプラスチックとして有用性のあるポリヒドロキシ酪酸(PHB)を多量に蓄積します。この蓄積にはPHBの合成・分解に関わる酵素が必要なのですが、
それ以上に蓄積しはじめたPHB顆粒を安定化させるファーシンというタンパク質やPhaRというタンパク質が重要な役割を果たすことがわかってきました。この機構を詳細に解明してPHBの効率的な生産に役立てることを目指しています。
PhaP phasins play a principal role in poly-β-hydroxybutyrate accumulation in free-living Bradyrhizobium japonicum
Bradyrhizobium diazoefficiens
USDA110 PhaR functions for pleiotropic regulation of cellular processes besides PHB accumulation
●Leuconostoc属乳酸菌の自然形質転換メカニズム
Leuconostoc属は絶対ヘテロ発酵菌で産業上重要な役割を果たしている乳酸菌の1種です。しかし、産業的にさらなる応用が期待されているにも関わらず、乳酸菌の形質転換効率非常に低いため、遺伝学的改変操作が困難です。そこで本研究室では、新たにLeu. mesenteroidesをモデルとして、 他のバクテリアにも使用できる汎用性の高いプラスミド導入法(プロトプラスト法)の確立を目指します。
NEWS
- 共同研究者としてValeria Verroneさんが来日(NewCastle University)。
- 新4年生5名と外部から新M1生1名、研修生1名が参画。
- 吉田教授が日本初のFEMS Ambassadorに就任されました。
- 研究室ウェブサイトが新しくなりました。
- 熱海市で開催されたグラム陽性菌学会に参加しました。Christophe Michonさんが帰国されました。
- 新4年生5名と外部から新M1生1名、研修生1名が参画。
- 田中耕生 助教が退職されました。
- 新4年生3名と外部から新M1生4名が参画。
- Visiting ProfessorとしてDr. Philippe LangellaとDr. Jean-Marc Chatelが1週間滞在しました(Micalis INRA FR)
- 科学技術イノベーション研究科が発足しました(当研究室は農学研究科から移籍しました)。石川周准教授が参入しました
- Christophe Michonさんが来日(Micalis INRA FR)。学術研究員(ポスドク)として活躍します。
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Ms. Sophia Karpenko 技術補佐員を雇用(仏AgroParisTechからの短期留学。2015年8月末まで)
2015年度の新4年生5名と外部からの新M1生2名が参画。 - IRANから滞在研究者としてパラスト・マジディアンが合流(2015年8月末まで)。
- 新4年生が参入。
- 竹中 慎治が教授昇任。微生物資源化学教育研究分野を設立。
- 久世 純子 技術補佐員を雇用
- ドイツGoettingen大学Stuelke研よりMr. Daniel Reussを技術補佐員として雇用(2013年12月末まで)。
- 田中 耕生 iBioK特命助教が参入(2013年4月より自然科学系先端融合研究環助教)。
- 世良 享子 技術補佐員を雇用(2013年6月末まで)。
- JST ALCAならびにNC-CARPに参画。小谷技術補佐員を雇用(2011年3月末まで)
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吉田 健一が教授に着任して微生物機能化学研究室がAPPLMICの愛称を掲げてスタート。
オリジナルスタッフは、教授の吉田に加えて、准教授の竹中 慎治(2014年3月より微生物資源化学教育研究分野教授に昇任)と
iBioK特命助教の鈴木 宏和(2011年4月に九州大学農学研究科へ転出、さらに2014年4月より鳥取大学へ異動)の3人体制。
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ラボの設備
メンバーの様子
CONTACT
(平日9:00~17:00)
受験生の方へ
微生物機能化学研究室では、以下の人材を募集しています。
本研究室は2016年度より、科学技術イノベーション研究科に所属しています。
募集対象 | 博士前期・博士後期 |
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応募方法 | メールまたは郵送でお問い合わせください。 |
資料請求先 | 科学技術イノベーション研究科学生係
〒657-8501 神戸市灘区六甲台町1-1 神戸大学大学院科学技術イノベーション研究科 TEL: 078-807-5474 E-mail: stin-kyomu(AT)office.kobe-u.ac.jp [(AT)を@に変更してください。] |
当研究室では、個人情報に関する法令およびその他の規範を遵守し、大切な個人情報の保護に万全を尽くします。
個人情報の収集について
当研究室では、次のような場合に必要な範囲で個人情報を収集することがあります。
・お問い合わせ時
・情報交換をお申し込み時
個人情報の利用目的について
当研究室は、収集した個人情報を次の目的で利用いたします。
・ご連絡のため
・お問い合せに対する回答のため
・研究情報や資料の提供のため
個人情報の第三者への提供について
当研究室では、取得した個人情報を第三者に開示または提供することはありません。ただし、次の場合は除きます。
・ご本人の同意がある場合
・警察からの要請など、官公署からの要請の場合
・法律の適用を受ける場合
個人情報の開示、訂正等について
当研究室は、ご本人からの自己情報の開示、訂正、削除等のお求めがあった場合は、確実に応じます。
ACCESS
〒657-8501 神戸市灘区六甲台町1-1 神戸大学大学院農学研究科E棟 6階 エレベータホール出て直ぐ
E601がラボ、E654が教授室です。
アクセス 阪急線六甲駅を下車、北へ徒歩約15分。または神戸市バス36系統「神大文理農学部前」下車。
※詳しくは農学研究科のアクセスページをご覧ください。
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