研究概要
現在の原子力防災体制では、災害発生直後の対応は、モニタリングポスト及びモニタリング車による放射線測定が中心であるが、阪神・淡路大震災や東日本大震災のように道路網も大きな損傷を受けてしまうような大規模自然災害の直後においては、もうひとつの経路、即ち「海の道」からのアプローチが、緊急時放射線モニタリング(ERM)及び線量低減活動の基礎データ収集に有効である。
過去の震災の教訓を踏まえて検討した結果、被害を受けなかった地域から船舶を派遣し、これに放射線測定器や防護装備等を搭載するとともに、相当数の原子力・放射線の専門家が乗り込むことによって海上の前線基地としての機能を持たせた「ERM支援システム」という構想に至った。
本研究課題では、迅速な初動対応が必要な原子力災害対策のオプションのひとつとして、船舶を活用した支援システムの実現に必要な諸課題(例えば、対応可能な船舶の運航計画、搭載する放射線測定機器等の選択と開発、乗組員への事前放射線教育等)に取組み、ERM支援システムのプロトタイプ設計を行うとともに、附属練習船を発電所に派遣する航海実験とその結果の考察を通して、国・関係省庁等への提言をまとめる。
トピックス
- 【終了しました】2018年3月16日(金)シンポジウム「原子力災害時の船舶の活用」を開催いたします。
- 2017年10月6日神戸大学附属練習船「深江丸」で第6回会合を行いました。
- 2017年10月5-6日神戸大学附属練習船「深江丸」で航海実験を実施しました。
- 2017年9月13-15日日本原子力学会 2017年秋の大会で本プロジェクトに関する発表をしました。
- 2017年9月7日大島商船高等専門学校「大島丸」で航海実験を実施しました。