海藻の進化と地球環境における役割 | |||
地球ができたのはおよそ45億年前であり,それから数億年のうちにはじめの生物(または生命)が誕生したとされています.このころの地球には気体や水に溶け込んだ状態の酸素はほとんど無く,したがってオゾン層も存在していなかったと考えられています.このため地球表面 には太陽からの光が直接降り注ぎ,その中には強い紫外線が含まれていました.このような紫外線の中でも,特に波長の短いものは生物にはきわめて有害ですが,水は紫外線をかなり吸収する性質を持っています.したがって,誕生したばかりの生物は海のある程度深いところで,海中や海底にたまった有機物を吸収し,酸素を使わない方法で分解して生活していたのでしょう.その後,太陽のエネルギーを使って有機物を合成する能力を身につけた生物(光合成細菌)が誕生し,さらにそれらの生物の中から地球上に大量 にあった炭酸ガス(CO2)と水(H2O)を使って有機物を合成し,その結果(副産物として),酸素(O2)を体の外に放出する生物が現れたと考えられています.酸素はわれわれ人間を含む動物の生活にとって不可欠のものなので,やや不思議な感じがしますが,もともと酸素のないところで進化してきた生物(嫌気性生物と呼ぶ)にとっては,酸素は強い毒性を持っていました.このため,らん藻は酸素を体の外に放出することで自分の体を守ったと考えられます. | |||
さまざまな生物の進化と地球大気の酸素,二酸化炭素濃度の変化