仮根→
↓葉状部

フサイワズタ

イワズタ目 イワズタ科

Caulerpa okamurae Weber-van Bosse

フサイワズタ(フサイワヅタ)は低潮線付近から漸深帯上部の岩上に生育し,ほぼ周年観察されるが,春から夏にかけ大きくなり,夏に成熟する.藻体は円柱状の匍匐する茎状部とそれから直立するブドウの房状の直立枝からなる.神戸周辺では岩屋をはじめ淡路島の沿岸で見られる.

イワズタの仲間の藻体は多核嚢状体と呼ばれ,藻体全体の細胞質がつながっており,いわば巨大な1つの細胞の状態にある.成熟すると細胞質が網状に凝集して遊泳性の生殖細胞(雌雄の配偶子)を生じる.世代交代はなく,接合した配偶子が直接もとの大型の藻体に発達する.

野外で採集したときは全体が緑色をしているが,クーラーボックスなどにいれて暗くすると葉緑体が体の中央部に移動して表面 が白っぽくなることがある.

地中海沿岸では本種と近縁のイチイズタC. taxifolia (Vahl) C. Agardhが大量 に帰化,繁茂して,既存の生態系に攪乱を引き起こして環境問題となっている.

生態(水中)

生態(水中)

さく葉標本

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