←雄性部分(造精器)
雄性部分(造精器)
←雌性部分(造果 器)
雌性部分(造果 器)
←葉緑体
←不動精子

スサビノリの藻体は断面で1層の細胞からできており,細胞の中央部に星形の葉緑体が1個含まれる.

膜状のスサビノリの藻体は配偶体世代で,成熟すると雌の生殖細胞(紅藻類では造果 器と呼ぶ)になる部分と雄の生殖器官(造精器)になる部分に分かれる.ふつう雄性部分が先に成熟して,分裂して不動精子(鞭毛を持たず遊泳性のない精子)を作り放出する.不動精子は成熟した雌性の細胞(造果 器)に付着して受精し,造果器は受精後分裂して果胞子と呼ばれる複相の胞子を放出する.果 胞子も鞭毛を持たず,遊泳性はないが,貝殻などの上に付着すると,貝殻の石灰質を溶かして内部に入り込み,コンコセリス期と呼ばれる糸状の体に発達する.ふつうこの状態で夏を越し,冬になると殻胞子と呼ばれる胞子を作り,もとの膜状のノリに生長する.養殖ではコンコセリス期の糸状体を室内で大量 に殖やして,そこから放出された殻胞子を網などにつけて海に出すことで,効率的に繁殖させている.

雌雄境界部分表面観

断面 (造果器部分)

造精器と不動精子の放出

アマノリ類の典型的な生活史

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