低コストで殺菌効果高い紫外光照射機器を開発しました。

神戸大学ほか日本エコ照明株式会社(本社:滋賀県草津市、代表取締役:桂 慶全)による共同研究体は神戸大学UV光源応用実証研究会におけるPoC活動を通じて、冷陰極蛍光管 (CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp) 技術を利用した殺菌効果の高い紫外光源の開発に成功しました。CCFLはかつて液晶ディスプレイやサインボードのバックライトとして広く利用されてきた安価な面型光源で、今回このCCFL技術を利用して殺菌効果の高いUVC波長を放射する紫外光源の開発を進めてきました。開発した光源は面型光源であるため、withコロナ社会における様々な殺菌の用途への応用が可能です。このような普及のハードルの低い殺菌用紫外光源の市場投入は産学によるSDGsの行動を一層加速することが期待されます。 本研究の特徴としては、紫外光源、特に発光波長が200~280 nmのUVC紫外光は酸素分子や窒素分子に良く吸収されるため殺菌効果が高いことにあります。殺菌用紫外光源は水銀ランプが一般的で広く用いられていますが、2017年8月に発効した水銀条約によって、ある一定量以上水銀を含む光源は将来的には製造・輸出・輸入ができなくなりました。近年、一般照明用の光源として普及しているLED発光波長の紫外化の研究が活発であり一部市場に出始めています。このような状況の中、われわれが開発した紫外CCFLは水銀条約における使用水銀濃度をクリアし且つ、発熱も少なく低コストであり、機器の形状の自由度が高く、大面積の照射にも適しているため、様々な殺菌が必要とされるシーンに利用できます。

日本経済新聞 2020年7月23日朝刊

2020年07月30日