研究方針

実用を見据えた基礎研究を推進しています

research direction

研究内容

research direction

機能性薄膜材料

機能性マイクロデバイス

バイオ分析用マイクロデバイス



機能性薄膜材料

1. コンビナトリアルスパッタ

multi-target sputtering system 圧電材料に代表される機能性薄膜の材料特性は,その組成と配向性に大きく影響を受けます.我々は独自に開発した多元スパッタ装置を用いて,圧電材料を中心とした機能性材料の薄膜化とその高性能化に取り組んでいます.特に,有害物質を含まない機能性薄膜材料として鉛フリー圧電薄膜の開発を進めています

[担当:神野,寺元]



2. 薄膜電池

LTO thin films 現在大電力の電力貯蔵を目的としたリチウムイオン電池の研究開発が注目される一方で,マイクロデバイスを駆動する電力を各チップ上に形成した自立型デバイスに関する研究が進められています.電極活物質および固体電解質を薄膜化し積層することで全固体薄膜リチウム電池の実現に向けた研究を行っています.リチウム酸化物薄膜をスパッタ法で作製し,実用的な薄膜材料および積層構造の探索を進めています.

 [担当:神野,中山]


3. 圧電薄膜評価

piezoelectric measurement system 独自開発の圧電薄膜材料評価システムにより各種圧電薄膜の圧電横効果を高精度に評価することを可能としました.アクチュエータ応用を目的とする逆圧電特性,またセンサやエナジーハーベスト応用に必要な正圧電効果をユニモルフカンチレバーを用いて測定します.現在圧電薄膜評価技術の国際標準化に向けた活動も推進しています.この他,紫外線照射による光ひずみ効果を利用したリモート制御薄膜アクチュエータについての研究にも取り組んでいます.(左図は逆圧電特性評価システム)
 [担当:神野,大地]


4. 積層誘電体薄膜

MLC 積層セラミックス(MLC)は,積層セラミックスコンデンサ(MLCC)や積層セラミックスアクチュエータ(MLCA)として広く実用化されています. これらMLCの特性向上には誘電体の薄層化が必要であり,我々はスパッタ法を用いた新しいMLC製造方法を提案しています. スパッタ法はサブミクロン厚の高品質誘電体層が形成可能であり,成膜中に交互に絶縁された内部電極を同時に作製する技術を開発することで,サブミクロン厚のBT系およびPZT系誘電体積層セラミックス薄膜をSi基板上に成膜する事に成功しました.
 [担当:神野,山本]

5. 圧電性薄膜転写技術

MLC 圧電性薄膜の作製には500℃以上の熱処理が必要であり,耐熱性の低い樹脂材料上への成膜は容易ではありません. 本研究では,高耐熱性基板上に成膜した圧電性薄膜を,柔軟な樹脂基板上に転写する新規技術を開発し,フレキシブルセンサや人工筋肉への応用を進めています. この他,エピタキシャル薄膜のレーザリフトオフ等,新しいハイブリッド材料の開発に取り組んでいます.(左図はPDMSに転写したPZT薄膜の写真)

 [担当:神野,肥田,濱村]


機能性マイクロデバイス

6. 圧電MEMSエナジーハーベスト

piezoelectric energy harvesters 輸送機器や構造物等から生じる振動を高い効率で電気エネルギーに変換し,センサノードの電源として利用するエナジーハーベストの研究が注目を集めています. 環境発電,もしくは振動発電技術とも呼ばれ,自律分散型・メンテナンスフリーのセンサネットワークを実現することが可能で,安全,安心,更に省エネルギー,省資源に貢献することが期待されています. 我々は高効率かつ実用的なMEMSエナジーハーベスターを目的として,エピタキシャルPZT薄膜,また金属基板上の圧電薄膜成膜,更に非鉛圧電薄膜を用いたデバイスを試作し,素子設計から加工,および発電特性評価に関する研究を推進しています.
[担当:神野,西]


7. マイクロ圧電センサ

piezo gyro 圧電材料は高い電気機械変換効率を有しており,圧電薄膜を用いて各種高感度マイクロセンサとしての利用が期待されています. 特に,角速度を高感度に計測するジャイロセンサは,現在カーナビへの応用の他,各種家電やスマートフォン等に応用が広がっています.我々は圧電薄膜を用いた新しい構造のジャイロセンサの研究に取り組み,金属基板上圧電薄膜ジャイロ,またシリンダ型MEMSジャイロセンサの開発に成功しました.この他,現在のコンデンサMEMSマイクロフォンに代わる圧電MEMSマイクロフォンの研究も推進しています. 
[担当:神野,肥田,伊賀上,中川,福本]


8. インセクトスケールロボット

insect robot 微小領域を移動する超小型ロボットの開発が注目を集めています.小型ロボットに求められる最も重要な要素技術は,軽量,シンプルかつ低消費電力で大きな力が発生可能なマイクロアクチュエータ技術です.我々は圧電薄膜アクチュエータを用いたインセクトスケール(mm-scale)のロボット開発を行っており,いくつかの試作を通してその可能性の検証を進めています. 
[担当:神野]


バイオ分析用マイクロデバイス

9. 植物生育モニタリングデバイス

root growing force 微小なフォースセンサを一体化したマイクロ流路デバイスを開発し,植物の根の生育メカニズムの解明を進めています.本デバイスにより,根の成長に伴う推進力など植物固有の性質を明らかにし,将来的には品種改良や育成技術の向上に貢献します.


[担当:肥田,林,福澤]



10. 細胞の分析・操作技術

root growing force マイクロ流体デバイスを用いた単一細胞の操作技術の開発を行っています。マイクロ・ナノスケールの微小空間内で細胞を操作することで高い時間・空間分解能での分析を実現し,外部刺激に対する細胞の応答を精度よく評価することができます.

[担当:神野,肥田,辻野,安田]



11. 植物寄生線虫行動分析デバイス

root growing force マイクロ流路デバイスを用いて植物の害虫(寄生性線虫)の行動分析を行い,得られた知見より新規防除法の確立を目指しています.微小空間内では化学環境などの制御が容易であり,かつ詳細な観察が可能であることから,分析効率や精度が飛躍的に向上します.

[担当:肥田]