レーザの安全基準




現在、世界的にレーザ製品を正しく製造し、使用するための基準がIEC60825-1によって定められています。
ドイツもこれに準拠し、日本はIEC60825-1に準拠したJIS C6802(レーザ製品の放射安全基準)にレーザ製品の放射安全基準をもうけているようです。

これらの規定では、レーザの安全基準を定めるため、全てのレーザを、その人体に与える影響に基づいて、次の5種に区分しています。

人体に与える影響とは、光に対する最大許容露光量(MPE)と、可視光に対する光の嫌悪反応です。



安全クラス 基準
1
本質的に安全

特別な安全対策不要
100s間その光を瞬きなしに見続けても、網膜に損傷なし
パッケージングにより光の漏洩を押さえた、レーザプリンタやCDもこの部類に入る事となる
どのような条件でもMPEを超えない。
最悪、双眼鏡の様な補助光学系を用いても安全
レーザ径に関係なく、He-Neで10μW程度
2
安全

可視光に対して定められているクラス
瞬きの時間0.25sに対して網膜が損傷しない安全が確保されている
最悪、双眼鏡の様な補助光学系を用いても安全
レーザ径に関係なく、レーザポインタ、He-Neで1mW以下
3W以下の単パルス(パルス幅10-7s)可視レーザ
3A
少し危険

光学系を用いたビーム内の観察は危険
可視光に対してクラス2の五倍の出力
ただし、補助光学系を用いないで直接見たときのみの安全性を規定しているので、単位面積あたりのパワーは、クラス2と同程度(直径7mmのレーザ径の場合1mW)でなければならない。
CWで5mW以下、短パルス10W以下の可視レーザ
3B
かなり危険

直接のビーム内観察は危険
拡散反射光で最小観察距離である13cm以上、最大観察時間10s以内であれば安全
CWで0.5W以下の可視レーザ
4
とても危険

クラス3以上の高出力レーザ
拡散反射光でさえ危険
皮膚やけど、火災の危険を生じる
多くの実験用、工業用レーザがこの部類に入る
0.5Wを超える


注:レーザ製造業者は、クラス2以上の製品に警告・説明ラベルを貼らねばならない。