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高等学術研究院教員紹介

教員詳細

柳澤 邦昭YANAGISAWA Kuniaki
人文学研究科 准教授
柳澤 邦昭

研究内容

社会とこころの関係について、社会心理学、社会神経科学の観点から研究に取り組んでいます。特に、社会的排斥や社会的孤立・孤独などの社会問題についての研究を行っています。こうした社会問題は、人の精神的健康だけでなく身体的健康をも脅かすことがこれまでの研究で明らかにされてきましたが、コロナ禍を機にその問題の深刻さが再認識されています。また、人のこころは見えないため、こうした不可視性の特徴が問題をさらに複雑化させています。そこで、私は多様な実験・調査手法、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を利用することで、こころの痛みの可視化と先行要因の解明を試みています。こうした研究を通じて、社会的問題の悪影響を防ぐ社会の仕組み、先回りして予防する一次予防の施策を模索しています。

今後の抱負

これまで行ってきた基礎研究の成果を社会に還元し、将来的には社会的問題が生じにくい健全な未来社会の創造に貢献したいと考えています。具体的には、現在、RISTEXの研究課題「新生活に伴う孤独リスクの可視化と一次予防」において、異分野間の連携を図るとともに病院等の施策現場との連携を有機的に構築し、孤立・孤独の一次予防を目指したプロジェクトを推進しています。プロジェクトを通じて、孤立・孤独を未然に防ぐ有力な手段を提供したいと考えています。 加えて、こころの痛みに関する基礎研究を発展させることで“身体的痛み”の社会的機能について明確化することを目指します。従来、痛みの神経回路が社会性に関与しているかどうかについてさまざまな学問分野で議論が展開されていますが、決定的な結論には至っていません。最先端の解析技術を応用することで痛みの社会的機能の解明に挑戦します。

研究略歴

2023年4月
神戸大学大学院人文学研究科 准教授
2023年4月
神戸大学高等学術研究院 卓越准教授
2020年10月
神戸大学大学院人文学研究科 講師
2019年4月
京都大学こころの未来研究センター 特定講師
2015年7月
京都大学こころの未来研究センター 特定助教
2015年4月
京都大学こころの未来研究センター 研究員
2012年4月
日本学術振興会 特別研究員PD(京都大学)
2011年4月
日本学術振興会 特別研究員PD(広島大学・DC2より資格変更)
2011年3月
広島大学大学院総合科学研究科 博士後期課程 修了

受賞・著書・論文・研究費等