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高等学術研究院教員紹介
教員詳細
- 坂東 弘教 bando hironori
- 医学研究科 准教授

研究内容
下垂体は、内分泌臓器の司令塔として多様なホルモンを分泌する臓器です。下垂体機能低下症は、全身性の代謝調節障害を引き起こし、QOLの低下と生命予後の悪化につながります。 下垂体機能低下症は、先天性と後天性に分類され、それぞれの病態解明に取り組んできました。先天性に関しては、新規原因遺伝子の同定や下垂体の発生過程に関する研究を行っています。一方、後天性に関しては、「腫瘍随伴自己免疫性下垂体炎」という新たな概念を提唱しています。これは、腫瘍内に下垂体特異的な抗原が異所性に発現することで免疫応答が引き起こされ、腫瘍のみならず下垂体も障害されるという概念です。この概念は、一般的な自己免疫性下垂体炎のみならず、近年増加している免疫チェックポイント阻害薬関連下垂体炎の理解にも寄与すると考えています。
今後の抱負

下垂体疾患は、一般的には稀な病態とされています。しかし、実際には多くの症例が未発見のまま放置されている可能性が高く、決して少なくない疾患であると考えられます。この病気は、症状が軽微である場合や他の疾患と類似した症状を呈することが多いため、診断が遅れることが少なくありません。放置すればさらなる合併症を引き起こすこともあります。したがって、早期発見と適切な治療が非常に重要です。 下垂体機能低下症の病態解明を主な目的とした研究は、これまで明確にされていない病理的メカニズムの解明を進めることによって、より正確な診断法の確立を目標にします加えて、疾患の発症予防や早期予測に繋がる成果を得ることができれば、新たな診断マーカーの開発や、より効果的な治療法の確立を目指しています。
研究略歴
- 2025年4月
- 神戸大学大学院医学研究科 准教授/神戸大学高等学術研究院 卓越准教授
- 2024年12月
- 神戸大学医学部附属病院 糖尿病・内分泌内科 助教
- 2023年4月
- 神戸大学医学部附属病院 糖尿病・内分泌内科 特定助教
- 2022年6月
- 神戸大学医学部附属病院 臨床研究推進センター 特命助教
- 2000年11月
- 神戸大学大学院医学研究科 先進代謝疾患治療開発学 特命助教
- 2018年8月
- 日本学術振興会海外特別研究員/米国ミシガン大学-Research-fellow
- 2017年4月
- 神戸大学医学部附属病院 糖尿病・内分泌内科 医員
- 2016年4月
- 神戸大学大学院医学研究科 医学研究員
- 2016年3月
- 神戸大学大学院医学研究科 博士課程 修了