強酸性を示す種と示さない種の細胞内無機イオン濃度の比較 | |||
さまざまな種類の海藻の組織片を一定時間真水に浸して,死んだ細胞から浸出してくる細胞液に含まれる無機イオンをイオンクロマトグラフィーで測定すると,ケウルシグサやヘラヤハズなどの強酸性の褐藻は,海水や,非強酸性の種類と比べて,数倍から10倍程度高い濃度の硫酸イオン(SO42-)を蓄積している.そのため,これらの海藻では,測定した陽イオンと陰イオンの和をみると陰イオンが顕著に少なくなるが,実際には細胞内にはこの分に相当する水素イオンが含まれているため,水素イオン濃度が高くなり,pHの数値は小さく(酸性に)なる. | |||
若いタバコグサの藻体をそれぞれ海水(上,下)と真水(中)を含ませた濾紙ではさみ,数分おくと真水にさらされた中央部分の細胞が死んで,細胞液が浸出してくる.そのpHは1-2と強い酸性を示す. | ||