カジメ

コンブ目 コンブ科

Ecklonia cava Kjellman

カジメは低潮線付近から水深数mまでの漸深帯の岩上に生育し,しばしばカジメ場とよばれる藻場(もば)を作る.神戸周辺では淡路島の沿岸や舞子などで観察される.直立藻体は仮根状のじょうぶな付着器,円柱状かやや平たい茎状部と葉状部からなるが,地域により茎の長いものと短いものの二型があり,神戸周辺では後者が分布する.藻体は1年目ははじめ卵形または長円形だが,側面 から櫛の歯状に側葉を出し,伸長する.新しい藻体は冬から観察され,通常2年目の藻体から成熟し,3-4年は生き残る.胞子嚢斑(遊走子を生ずる生殖器官である単子嚢がかたまってできる部分;次ページ写 真参照)は秋から冬にかけて側葉の表面にでき,その部分はやや厚くなり,透かしてみると黒っぽく見える.

カジメはワカメと同じく異型の世代交代を示し,大型の胞子体から放出された遊走子は微小な雌雄の配偶体に発達し,配偶体世代で夏を越す.配偶体は秋から冬にかけて成熟し卵と精子を生じ,有性生殖を経て,また大型の胞子体に発達する.

生態

さく葉標本

1年目藻体

生標本

2年目藻体

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