Quantum Wire

Excitonic State and Magnetic Effects in CdTe/Cd(Mg,Mn)Te QWRs

微斜面基板上に分数層で交互エピタキシャル成長しますと、ステップフロー成長によって、ナノスケールの高密度細線構造を作製できます。CdTe量子細線をこの方法で成長し、明瞭な1次元自由励起子を初めて実証しました。この量子細線に外部磁場を加えたところ、細線数の励起子のペアーが結合した状態を人工的に創ることを発見しました。これは、断面10ナノメートル四方の小さな量子細線に閉じ込められた励起子固有の特徴であると言え、高い光非線形効果が期待できます。

Exciton Magnetic Polaron in CdTe/CdMnTe QWRs

希薄に磁性不純物を含む半導体中に励起子が形成されると、励起子のスピンが近傍の磁性不純物のスピンの方位を揃え、局所的に磁気光学効果が増強されます。その結果、励起子近傍で局所的なポテンシャルの安定状態が作られ、発光特性や伝導特性に大きな影響を与えます。これは励起子磁気ポーラロンとして知られています。われわれはこの励起子磁気ポーラロンがそれと同程度の大きさの量子細線構造に閉じ込めたとき、異方的な磁気応答特性を示すことを発見しました。

Hole-Spin Reorientation in Magnetic Field

量子細線のバリア部分に磁性不純物を変調ドープした構造では、非磁性量子細線中の1次元励起子と磁性不純物の間に交換相互作用による強い相互作用が働きます。その結果、本来外部磁場応答性の小さな非磁性1次元励起子スピンが高感度に制御できるようになります。具体的には微斜面基板に作製したCdTe/CdMnTe量子細線において、外部磁場を加えて非接触で偏波制御するのに成功しました。