Si, C and Related Materials |
高圧合成ダイヤモンド、CVDダイヤモンド薄膜のバンド構造をわれわれ独自に開発した電子ビーム変調分光技術を用いて詳細に調べました。CVDホモエピタキシャル膜は高品質な高圧合成ダイヤモンドとほぼ同等の基礎吸収端構造(~5.5eV)を有するが、CVD多結晶薄膜では、ゼロフォノン吸収信号が顕著に観測され、多結晶粒界散乱によると考えられる遷移選択則の破綻が確認されました。また、電子ビーム変調反射(EBER)により明瞭な直接吸収端を7.5eVに初めて観測するのに成功しました。 |
電子ビーム変調反射分光技術(EBER)は試料表面に変調した電子線を照射しながら、同一部位空の光反射スペクトルの変化分を計測する分光技術です。この技術を用いますと、半導体なら材料を選ばずほとんどどのような材料のバンド構造でも高エネルギーな遷移まで超高感度に評価することが可能です。また、われわれはこの分光システムを電子顕微鏡に組み込むことに成功し、顕微鏡で観察しながら局所的な部位の評価が行えるようになりました。この独自の新しい分光技術を用いて、シリコン中の不純物によるバンド構造の変化をとらえるのに成功するともに、シリコン酸化膜による極微な界面歪みを定量的に評価するのに成功しました。 |
独特な液晶成長技術で作製したSiC結晶の品質を評価するため、われわれが開発しましたEBER評価に加え、カソードルミネッセンス(CL)の顕微スペクトルイメージを観測しました。その結果、高品質SiC結晶の成長を確認し、その中に含まれる不純物状態の解析に成功しました。 |