Photoreflectance Characterization |
フォトリフレクタンス分光はレーザ等の強い光で半導体を励起して、その際に発生する誘電率の変化をプローブ光の反射率変化として観測する技術です。この方法は電極を付けて変調するエレクトロリフレクタンスに変わる非破壊非接触計測技術として良く用いられる技術です。しかし、レーザ光等による強い光励起によって、サンプルによっては強い蛍光を発したり、表面の散乱が顕著に検出器にかかることがあります。これは、波形解析の精度に直結し、フォトリフレクタンスの大きな欠点の一つでした。私たちはこの問題を、非常に簡単な技術的な改良によって初めて完全に解決し、この新しい技術で支えられるフォトリフレクタンスシステムを商品化し、販売を開始しました。 |
GaAs/GaInPヘテロバイポーラトランジスタ(HBT)は高速・高出力動作が可能で、高集積化が可能です。この新しい高速通信デバイスとしてすでにマーケットに出始めていますが、製品歩留まりの管理が、今後のコストを大きく左右します。われわれが開発していますフォトリフレクタンス分光システムは、非接触で評価できる上、界面の電界に非常に敏感で、HBTのように多層なデバイス構造にはパワフルな評価手段です。これまで問題となっていたのは、異なる界面からの信号をいかにして分離するかということでしたが、われわれはスペクトルのフーリエ変換によって明瞭に信号を分離できることを実証しました。これを用いて、これまでC-V電気測定評価で得られていた値と同精度の評価値を得るのに成功し、実用化のレベルに達しました。 |
GaAs中に少量のBiを添加しますと、バンドギャップエネルギーの温度変化が極端に小さくなって、デバイス応用した場合の温度安定性の優れた材料として利用できることが期待されています。バンドギャップエネルギーのBi濃度依存性を精密に測定するため、フォトリフレクタンス信号のフランツ-ケルディッシュ振動に着目しました。その結果、Bi添加によるバンドギャップエネルギーの温度係数の大幅な減少を初めて発見しました。 |
電子ビーム変調反射分光技術(EBER)は試料表面に変調した電子線を照射しながら、同一部位空の光反射スペクトルの変化分を計測する分光技術です。この技術を用いますと、半導体なら材料を選ばずほとんどどのような材料のバンド構造でも高エネルギーな遷移まで超高感度に評価することが可能です。また、われわれはこの分光システムを電子顕微鏡に組み込むことに成功し、顕微鏡で観察しながら局所的な部位の評価が行えるようになりました。この独自の新しい分光技術を用いて、シリコン中の不純物によるバンド構造の変化をとらえるのに成功するともに、シリコン酸化膜による極微な界面歪みを定量的に評価するのに成功しました。 |