2006年度 公開セミナー
平成18年度は全4回の公開セミナーを以下の通り開催した。世話人それぞれが統一性や、連続性を特に意識せずに先端分野の研究に触れる絶好の機会として企画したが、様々な観点でこれらの現象や分子機構に関連性や類似性があることを実感できた。また講師、参加者からもご好評いただいたことは、IGという視点のもつ潜在性やタイムリーさを裏付けているものと考える。既存の研究の中にも我々の考えるIGの範疇に含まれるこうした優れた実績が実はすでにあるという事実は、新研究分野として提案していく上で逆説的に重要である。今後も個々のIG研究例を公開セミナーの形で紹介しつつ、お互いの研究を練りあわせて、IGという視点で「連携」した研究の意義をアピールしながら実際にそうした融合研究を始めていく予定である。
- 第一回(2006年11月1日 農B401)
- 「アーバスキュラー菌根共生におけるシグナル物質」
秋山康紀氏(大阪府立大学大学院生命環境科学研究科)
世話人:中屋敷均(植物病理学) - 「根粒菌とエンドファイトのゲノムからみた相互作用と生態機能」
南澤究氏(東北大学大学院生命科学研究科)
世話人:吉田健一(生物機能開発化学) - 第二回(2006年11月29日 農B401)
- <ゲノムリダクション>
- 「複合系の代謝制御 ― アブラムシ細胞内共生系をモデルとして」
重信秀治氏(自然科学研究機構基礎生物学研究所発生遺伝学研究部門)
世話人:岩永史朗(動物資源利用化学) - 「植物病原細菌ファイトプラズマのゲノムから読み取る退行的進化と寄生戦略」
柿澤茂行氏(東京大学大学院農学生命科学研究科植物病理学研究室)
世話人:池田健一(細胞機能構造学) - 第三回(2006年12月11日 滝川会館大会議室)
- <in vivoとin silicoから迫る植物の”相互作用”>
- 「葉緑体と核のクロストーク」 望月伸悦氏(京都大学大学院理学研究科植物学教室)
- 「共発現遺伝子データベースの構築と相互作用予測への応用」 大林武氏(東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター)
- 世話人:金丸研吾(生物化学)
- 第四回(2006年12月18日 滝川会館大会議室)
- <高等植物の核ゲノムをめぐるインターゲノミクス>
- 「非エピジェネティックな植物宿主とトランスポゾンの相互関係」 貴島祐治氏(北海道大学大学院農学研究院)
- 「植物のゲノムインプリンティングと胚乳における生殖隔離」 木下哲氏(国立遺伝学研究所)
- 世話人:宅見薫雄(植物遺伝学)