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ウェルビーイング推進本部

プロジェクト紹介 Project

本センターでは、長期的展望を視野に入れた『コア研究』と、ある時代の喫緊の要請や特定の個別の問題に柔軟に対処する『モジュール研究』の2本立てで、研究に取り組んでいきます。

コア研究・領域横断
プロジェクト

Kobe well-being study

コア研究の特徴は3つあります。1つは子どもから高齢者までの人生のライフスパンにわたるウェルビーイングの実現について検討すること、2つには、生まれてから死ぬまでの生涯にわたるウェルビーイングの変化やそれを支える要因について追っていくこと。3つ目にはそれぞれのライフステージにおける社会や環境との相互作用が、人、社会、環境に対してどのような相互作用を生じさせているのかと明らかにすること、です。

プロジェクトリーダー:片桐恵子

モジュール研究

健康領域研究部門

ウェルビーイング実現に資する運動の有効性の解明

心身が健康であることはウェルビーイングの実現に不可欠です。運動は体のみならず、心の健康にも資することは、膨大な研究成果から疑いようがありませんが、その科学的根拠は明らかになっていません。本プロジェクトでは、運動,そして身体への物理的刺激となる点で運動と同じといえる物理療法と、運動をしなくても運動と同じ効果をもたらす運動模倣薬(エクササイズピル)、さらに個々人に合わせた最適な運動量を処方できるバイオマーカーを用いて、培養細胞・疾患動物モデル・ヒトを対象に、運動が心身の健康増進と疾患治癒に効果がある答えの解明を目指します。

プロジェクトリーダー:森山英樹

患者さんにとってのウェルビーイングを保証するための生体の状態・看護技術の定量化

疾病・怪我からの回復や健康の維持は人にとって最も重要なウェルビーイングです。それを支えるために沢山の種類と内容の看護ケアが実施されていますが、その実際について定量的な評価がなされているものは多くありません。本プロジェクトでは看護ケアの効果を評価するための生体状態情報や、同時に看護技術を評価するための看護者の動きや体の使い方、道具の使い方などに焦点を当て、それらの定量化に向けた研究を行います。またその結果を踏まえ、より適切な看護ケア提供や専門職教育への活用を目指しています。本プロジェクトは大学附属病院、神戸大学数理データサイエンスセンター、神戸大学工学研究科、神戸大学海事科学研究科と連携して実施するものです。

プロジェクトリーダー:石井豊恵

ウェルビーイング向上を目指した認知症予防研究

アルツハイマー型認知症では、脳の神経細胞の病理学的変化が、認知機能障害に20年先行して起こっています。認知症の発症または進行の予防に対して、薬物療法に加え、身体および認知リハビリテーションに代表される非薬物療法が推奨されています。我々の研究グループでは、丹波市での臨床研究とコグニケア事業による社会実装で培ってきた身体および認知リハビリテーションのノウハウを拡大し、新型コロナ感染症の終息後に注目されている「旅行」などの余暇活動・レジャーや個人にとって意味のある作業活動・生活行為を付加した効果的なリハビリテーションプログラムの開発を通じて、個人・支援者・地域社会のウェルビーイング向上に資する研究活動を目指します。本プロジェクトは保健学研究科の教員と連携して実施するものです。

プロジェクトリーダー:園田悠馬

発達領域研究部門

『都市集合住宅高齢者の社会的孤立を予防する持続可能なコミュニティ構築』プロジェクト

日本では家族構成がどんどん縮小して、近年は一人暮らし高齢者世帯が増加しています。そして一人暮らし高齢者は、残念なことに、別居の家族や近隣との交流が少なく、孤立や孤独につながるリスクが高いことが明らかになっています。本プロジェクトでは、特に孤立のリスクが高いと考えらえる都市の賃貸集合住宅に住む人たちの間で、まずは弱い絆を形成し、緩いつながりのある地域社会の構築を目指して、アクション・リサーチを実施しています。

プロジェクトリーダー:片桐恵子

ウェルビーイングの実現に資する社会的つながりの新たな推定・評価方法の確立

社会的なつながりはウェルビーイングの実現に重要であることはよく知られています。しかしながら、大規模な社会的つながりを客観的に測定可能な指標は極めて限られています。本プロジェクトでは、スマートフォンを用いたコミュニケーション量の計測と、調査データによって収集可能な人とのつながりのデータから数理モデルによって社会的つながりを推定する二つの手法の開発と社会実装を目的としています。本プロジェクトはNTT西日本、神戸市、人間発達環境学研究科アクティブエイジング研究センターと連携し実施するものです。

プロジェクトリーダー:増本康平

ウェルビーイングのエイジングパラドクスの解明

高齢期は喪失を多く経験する時期ですが、幸福感は他の世代と比較して低いわけではなく、むしろ高いことが知られています(ウェルビーイングのエイジングパラドクス)。この理由を明らかにすることが、ウェルビーイングの本質の理解につながると考え、さまざまな領域の方々と連携しプロジェクトを進めています。

プロジェクトリーダー:増本康平

運動習慣の継続を通じたウェルビーイングの実現

このプロジェクトでは、運動を続けることが、生涯にわたるウェルビーイングの実現にどのように寄与できるのかを明らかにして行きます。本プロジェクトは学内外の様々な研究者と連携しながらプロジェクトを進める予定です。

プロジェクトリーダー:原田和弘

環境領域研究部門

都市における生態系サービスの評価と生態系保全

人口減少や人口集中によって都市化が進むなかで、都市および郊外の生態系の保全が難しい状況になっています。一方で生態系保全の重要性が国際的に認識されています。人口変化のトップランナーである日本は、都市化と生態系保全に関しても世界に先駆けて多くの問題に直面しています。こうした問題に対して、国内外の様々な分野の研究者、政策担当者と共同で取り組んでいます。

プロジェクトリーダー: 佐藤真行

ウェルビーイング向上を目指した国際感染症対策研究

感染症の発生は様々なレベルの健康被害をおよぼし、社会的および個人レベルでのウェルビーイングの低下に繋がると考えます。我々の研究グループでは,地球規模で公衆衛生上の問題となるヒト病原性ウイルスを対象とした感染症対策研究を実施しています。マクロな観点のフィールド調査とミクロな視点のラボ研究を組み合わせた包括的な研究活動を目指します。本プロジェクトは保健学研究科の教員と連携して実施するものです。

プロジェクトリーダー:亀岡正典

Well-beingに資する社会関係資本と「場」の学際的検討

Well-Well-beingの大きな要件の1つである社会関係資本(social capital)が、地域や集団の「場」においてどう構築され得るかについて社会心理学の立場から検討しています。直近では、人為的な介入を受けた構築環境(built environment)の一部である景観に着目した研究を中心に据え、ビッグデータを活用した計算社会科学的な手法を主な方途としています。その他に、政策への提言を企図して、個人におけるwell-beingに対する社会関係資本の価値を評価する試みも行っています。

プロジェクトリーダー:打田篤彦

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