研究紹介
療養支援看護学分野では、療養支援が必要な健康課題や健康障害をもつ個人・家族を対象に、健康維持および健康回復、ならびにQOLの向上を目指した療養継続に必要な看護支援方法の研究および開発や、保健医療制度などを含めた療養支援システムの構築についても探求します。疾患や治療、療養場所に関わらず、すべての人々を対象としています。
なお、教員毎の研究についてはresearchmapを参照ください。
急性期にある人への看護支援
急性期病院では、生命危機及び治療回復期にある人への看護が行われています。入院治療だけでなく、外来診療と継続した医療ケアが必要とされています。急性期病院で治療を受ける人は、入院治療・通院に伴い、生活の自立が困難となることから、生活の調整や再構築が不可欠です。そこで、この時期の患者へ看護支援を行う看護師が抱く、日々の看護への疑問、医療ケアに対する疑問に取り組みます。
過去の研究テーマの紹介
- 一般病棟看護師のための人工呼吸器ケアに関する看護実践過程評価票の開発
- 虚血性心疾患患者が行っている身体活動継続のための工夫と身体活動量との関連
- ICD植え込み患者の療養生活上の関心に関する検討
- 2型糖尿病患者の初診後1年間の自己管理行動実施状況とコントロール指標の推移
- 内視鏡的粘膜下層剥離術を受ける患者のリスク予防の行動に関する研究
慢性病をもつ人々への療養行動支援
慢性病とともに生活している患者やその家族の療養経験の把握を基礎研究とし、それらの結果を糸口として、新たな看護支援方法の検討を行います。また、効果的な療養支援に向けて、さまざまな療養行動を把握するための調査票の開発、療養支援プログラムの開発等を行っています。
過去の研究テーマの紹介
- 心筋梗塞患者の回復期リハビリテーション参加とその後の冠危険因子是正食行動との関連
- 2型糖尿病患者の食事療法負担感尺度の開発
- 外来がん化学療法患者の生活障害に関する研究
- 心不全患者のセルフモニタリングの概念分析
在宅療養をおこなう人々・地域で生活する人々への看護支援
高齢化が進むなかで、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう地域包括ケアシステムの構築が推進されています。しかし、自宅で生活するなかで患者・家族は様々な問題に直面し、生活の調整が困難となります。そこで、患者・家族、およびそれを支える看護師を対象とした研究に取り組んでいます。
過去の研究テーマの紹介
- 重症慢性心不全患者の在宅療養を可能にする訪問看護師の看護実践
- 訪問看護師が行うグリーフケア
- メタボリックシンドローム患者の生活習慣調査
- 中学生が日常生活の中で行っている保健行動とその認識に関する研究
- 災害時における看護の役割
看護師および看護学生への教育
看護支援の質の向上に資するために、看護師を対象に、臨床判断や実践能力の実態やそれらの向上のための専門職教育に関するテーマにも取り組んでいます。また、看護学生への教育向上のための研究も行っています。
過去の研究テーマの紹介
- 新人看護師のリフレクションをファシリテートする新任教育指導者の困難
- 臨床看護師のやりがいにつながる看護実践の価値付けのプロセス
- 臨地実習における看護大学生のストレス耐性に関連する生活状況