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高等学術研究院教員紹介

教員詳細

澤田 豊sawada yutaka
農学研究科 教授
澤田 豊

研究内容

農業に水は欠かせませんが、その貯水や送水にはため池やパイプラインなどの水利施設が用いられます。また、日本は世界有数の地震大国で、近い将来にも巨大地震の脅威が迫る中、施設の耐震化や耐津波化は人的・経済的被害を最小限に抑えるための重要な課題です。私は農業水利施設の合理的な設計・施工および防災・減災に関わる研究を推進しています。当研究分野は国や自治体が行う土地改良事業に密接に関わりがあります。最近では、ため池の改修に関連する研究成果があります。 平成30年7月に発生した西日本豪雨以降、全国でため池の改修が急速に進められていますが、改修に用いられる良質な粘性土が全国的に枯渇してるため、その代替として、内部に粘土を含む特殊なシートを用いた改修事例が増加しました。しかしながら、当工法を用いた堤体の耐震性が不明であり、設計手法も未確立でした。そこで当工法で改修される堤体を対象に加振実験や現地計測などを実施し、力学挙動や耐震性を明らかにし、設計手法を構築しました。

今後の抱負

これまで、ため池やパイプラインなどの農業水利施設の合理的な設計・施工および防災・減災に資する研究を推進してきました。近年、建設業は労働力不足に直面し、ため池工事などでは入札不調が増えています。また、持続可能な社会を構築するために廃棄物の削減が求められています。そこで、今後はこのような新たな課題の解決に向けて、ため池やパイプラインの工事における施工の省力化や建設残土の有効活用に関する研究を推進したいと考えています。 我々の分野では、研究成果が直接社会に還元されます。今後もしっかりと現場の声に耳を傾け、地に足のついた研究を遂行したいと思います。また研究に加え、土地改良事業や建設業の次世代を担う優秀な人材を世に輩出することも私の重要な役割です。エンジニアリングの面白さや社会における重要性をしっかりと伝え、前向きでチャレンジング精神をもった若手を育成したいと考えています。

研究略歴

2024年4月
神戸大学大学院農学研究科 教授
2019年12月
神戸大学大学院農学研究科 准教授
2018年3月
Visiting Professor, Department of Civil Engineering, Queen’s University (2018年9月まで)
2013年3月
神戸大学大学院農学研究科 助教