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高等学術研究院教員紹介
教員詳細
- 篠原 亮太 shinohara ryouta
- 医学研究科 准教授

研究内容

精神疾患の病態解明や新しい治療法確立に向けて、神経科学の観点から研究を行っています。特に社会や環境から受けるストレスと脳機能変化、ストレスに対する抵抗力(レジリエンス)に着目して研究を進めています。ストレスを受けたとき、私たちの脳はそれに対処しようと活性化してレジリエンスを高めますが、過度なストレスやストレスの慢性化は脳の一部を萎縮させ、抑うつや不安亢進、認知機能障害を引き起こし、うつ病など精神疾患や多様な身体疾患のリスクを高めます。しかし、ストレスやレジリエンスのメカニズムには不明な点が多く、ストレスやレジリエンスに着目した治療法は確立していません。私達は社会挫折ストレスなどマウスのストレスモデルを用い、ストレスが脳の機能や構造、脳と末梢臓器との連関、さらには情動や認知機能に与える影響を調べています。
今後の抱負

長期的には「心の個性」を生み出す神経基盤の解明を目指しています。この目的のために、まずはストレスに対するレジリエンスの個体差が発達期を通してどのように形成され、成体期まで維持されるかという問題に取り組みます。幼少期の劣悪な生育環境や育児放棄などに起因するストレスは生涯にわたりレジリエンスを低下させ、成体期での精神疾患の発症リスクや治療抵抗性への移行を促進することが知られていますが、その生物学的基盤は不明です。今後はレジリエンスの個体差を生み出す分子・細胞・神経回路メカニズムを最先端の神経活動計測・操作技術や分子生物学的解析、マウス行動実験を駆使して明らかにし、ストレスに関連する精神疾患や身体疾患のリスク予測や予防・治療法開発につなげたいと考えています。
研究略歴
- 2024年4月
- 神戸大学大学院医学研究科 准教授
- 2024年4月
- 神戸大学高等学術研究院 卓越准教授
- 2021年7月
- 神戸大学大学院医学研究科 講師
- 2021年4月
- 神戸大学大学院医学研究科 特命講師
- 2017年9月
- イェール大学医学部分子精神医学部門 博士研究員
- 2016年10月
- 神戸大学大学院医学研究科 助教
- 2015年9月
- 神戸大学大学院医学研究科 特命助授
- 2013年4月
- 日本学術振興会特別研究員 PD(京都大学)
- 2012年4月
- 京都大学大学院医学研究科 特定研究員
- 2012年3月
- 京都大学大学院医学研究科 博士課程修了 博士(医学)
- 2010年4月
- 日本学術振興会特別研究員 DC2(京都大学)